この記事では、「妙」と「奇妙」の違いを分かりやすく説明していきます。
「妙」とは?
「妙」には3つの意味があります。
1つめは、言葉で言い表せないほどすぐれていることです。
あまりにもすごいものは、言葉でそのすごさを表すことが難しいです。
たとえば演技です。
きわめてよい演技は、すばらしすぎて言葉で伝えることが難しく、表現する方法も持っていません。
そのようなすばらしさを意味しています。
2つめは、不思議なこと、またそのさまです。
自分の理解の範囲を超えたもの、理性や知性では理解できないものを意味しています。
たとえば、夜中に家の中で物音がしたとします。
家にいるのは自分一人です。
物が落ちた、外を人が通ったというわけではないようです。
それなのに音がするのは不思議です。
この場合は「妙な音がする」ということができます。
3つめは、寺の囲い女です。
僧侶たちの間で用いられていました。
「妙」という漢字をわけると、「女」「少」になることから、この意味になります。
「妙」の使い方
寺の囲い女の意味ではほとんど使われておらず、きわめてすぐれていること、不思議なことという意味で使用されています。
「奇妙」とは?
「奇妙」には3つの意味があります。
1つめは、自分の理解を超えたもの、知性や理性では理解できないことです。
たとえば、クリーニング店にシミがついた服が持ち込まれたとします。
このシミは、醤油がついたものだと客から説明されました。
醤油なら落ちるだろうと思ってクリーニングをしたのですが、まったく落ちません。
薄くなることもありません。
そして、次第にシミが人の顔のように見えてきました。
最初はただのシミのように見えていたのですが、目や口がある人の顔になったのです。
これは知性や理性では理解できないでしょう。
2つめは、性質や行動などが他とは違っていることです。
「奇妙な格好」のような使い方をします。
日本人の場合は、ズボン、スカート、シャツなどの服装が一般的です。
アニメの登場人物のような服装を日常的にしていたり、その格好で出勤していたりすると、多くの人たちとは少し違い、「奇妙」に見えるかもしれません。
3つめは、非常に趣やおもしろみがあることです。
「奇妙」の使い方
自分の理解を超えたものという意味で使用をします。
不思議な現象のことや、性質や行動のことなどについていいます。
「妙」と「奇妙」の違い
自分の知性や理性では理解できないという意味が同じです。
「奇妙」の方が、不思議な度合いが大きいです。
それぞれの言葉はいくつかの意味を持っており、その部分にも違いがあります。
「妙」の例文
・『妙な音を聞いた』
・『組み合わせの妙』
・『妙な話』
「奇妙」の例文
・『奇妙な形の生物をみかけた』
・『奇妙な生活がはじまる』
・『奇妙な出来事』
まとめ
理解を超えたもの、不思議という意味が同じ2つの言葉です。
不思議な度合いが大きいのは「奇妙」の方です。