「完全」と「万全」の違いとは?分かりやすく解釈

「完全」と「万全」の違い違い

この記事では、「完全」「万全」の違いを分かりやすく説明していきます。

「完全」とは?

欠けたところや足りないところがないさま、必要なものがすべてそろっているさまです。

遺跡から土偶が発見されたときのことで考えてみます。

縄文時代など今からはるかに昔のものは、時間の経過などによって欠けたり、劣化したりしていることが珍しくありません。

そのため、土偶のような割れてしまうものは、発掘したときにすでに欠けていることがあります。

少しでも欠けがあれば「完全」な状態ではありません。

つまり、欠けがある状態で発掘された土偶は、「完全」な形とはいえないのです。

もしも、どこにも欠けや傷などがなければ、「完全」な状態ということができます。


「完全」の使い方

一部分がなくなっていたり、十分でなかったりする部分がないさまを指して使用をします。

「完全な形の刀剣」のような使い方ができます。

必要な条件がすべてそろっていることもいいます。


「万全」とは?

手続きや仕事などで不十分な部分がないこと、欠点や不足などがほとんどないことです。

また、非常に安全であるさまも意味します。

大きな台風がもうすぐやって来るので、備えをすることにしたとします。

数日分の食料を用意する、土嚢を積み上げる、窓を補強するなどしました。

台風がやって来ても、安全に暮らせるように不十分なところがないように準備をしているのです。

このようなさまを「災害に対して万全の対策をする」ということができます。

今度は野球の守備のことで考えてみます。

点をとられないように、しっかりと守りを固めています。

誰も気を抜いている人はいません。

このような状態は「万全な守り」ということができます。

「万全」の使い方

欠けているところや不足していることがないさまを指して使用します。

手続きや仕事上のことについて使われることが多いです。

また、安全であるさまを指して使用することもあります。

「完全」と「万全」の違い

欠けているところや不足しているところがないという意味が似ています。

しかし、使われ方にやや違いがあります。

「完全」「完全な形の土偶」のような使い方ができますが、「万全な形の土偶」とはできません。

また、「万全」には安全であるさまの意味があるので、「災害時への万全な体制」のような使い方はしますが、「完全」にはそういった意味がないので、「災害時への完全な体制」とはしません。

「完全」の例文

・『完全に排除することができた』

・『完全なオリジナル作品です』

・『完全密着取材をしました』

・『完全に分離しています』

「万全」の例文

・『体調はまだ万全ではない』

・『万全の対策を施しています』

・『万全のコンディションで臨むことができた』

・『万全の注意をする』

まとめ

欠けや不足がないという意味が似ている2つの言葉ですが、どういった部分で欠けなどがないのか、といった点が異なります。

使われ方に違いがあります。

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