「審美眼」
審美眼は、色々な対象に使える言葉です。
その為、これを磨くといっても、一概にどんなことが必要なのかとは言えず、対象ごとに全く方法が異なります。
読み方は「しんびがん」で、どの商売においても、まずこれがないことには始まらないと言っていいでしょう。
「審美眼」の意味
審美眼とは、「美しいものを見定めることができる眼」のことです。
ただし、見た目の美しさだけに使う言葉ではなく、対象になるものの「正しい価値を見定めることができる眼」と言った方が適当でしょう。
その対象には形がないもの含まれます。
例えば、オートメーション化された工場の一連のルーチンなどに対しても使うことができます(この場合は、無駄な部分や工程がないかを見定める時)。
元々は「美」という文字が入っているように、主に見た目だけに対して使っていた言葉でしたが、現在では前述のように、あらゆる対象の価値の判定が正しくできるかどうかという意味だと覚えてください。
「審美眼」の言葉の使い方
審美眼は、様々なシチュエーションで使える言葉です。
一番分かりやすいのは、絵画などの美術品にどれだけの価値があるかを見定めるような時です。
それらの鑑定士と呼ばれる人たちは、それに対しての「審美眼」がとても優れていると表現できます。
自動車の買取り業者であれば、その自動車に対しての審美眼が必要なのは言うまでもなく、ブランド買取店なら、あらゆるブランドに関するそれを磨かないことにはビジネスとしてやっていけないでしょう。
「審美眼」を使った例文・短文(解釈)
審美眼を使った例文や短文です。
審美眼は対象別に磨く、鍛えることで付いていくものですが、天性のものもあると言われています。
「審美眼」の例文1
「腕時計に関する審美眼は下手な業者以上だと自負している」
腕時計には、それこそ数千円程度で購入できるものから、100万円以上もする高価なものまで多数が存在しています。
高いものを何十本も所持しているような収集家になると、見ただけでそれにどれくらいの価値があるのかが分かる審美眼にとても優れていても不思議ではありません。
高価な腕時計のほとんどは機械式と呼ばれる電池を使わないタイプで、外見の装飾もさることながら、内部の構造の複雑さから高額になっていることが多いです。
「審美眼」の例文2
「古い掛け軸が押入れから出てきたので、誰か審美眼のある人に鑑定してもらいたい」
古美術品の価値は、専門の人でないとまず分かりません。
その手の物の価値を鑑定するテレビ番組に出ているような審美眼のある専門家に見てもらうのが一番です。
ただし、素人では全く価値が分からないだけに、足元を見られることも少なくないので、1人の鑑定だけで納得せず、必ず複数の人に見てもらいましょう。
「審美眼」の例文3
「あの人の審美眼に叶う商品を見付けるのは大変だ」
その分野に長けている人に満足してもらえる品を探すのはとても難しいと言っている例文です。
家電にかなり詳しい人であれば、その人が知らない機能でも付いていない限り、満足とはいかないかも知れません。
また、そのような人は「店員泣かせ」と呼ばれることも少なくありません。
特に大型の量販店では、店員とは言っても各商品全てにそれほど精通している訳ではないので、客として来るマニアのような人の方がよほど詳しいということもあるくらいです。
「審美眼」の例文4
「努力しているつもりだが、未だにまともな審美眼があるという自信がもてない」
審美眼は、基本的に努力によって付いていくものですが、感覚や才能がその対象に向いていないと、ある程度のレベルで成長が止まってしまうことが少なくありません。
先に書いた「天性のもの」という表現がこれに当たり、元から自分に向いていない分野では、専門家になるのは難しいと言えるのかも知れません。