この記事では、「差異」と「差違」の違いを分かりやすく説明していきます。
「差異」とは?
いくつかのものを比べたときの違いです。
一つだけでは比べることができないので、2つ以上何かがある場合をいいます。
昭和と令和で違うところを考えてみます。
今では家庭に一台エアコンがあることが一般的ですが、昭和にはエアコンを設置している一般家庭は多くはありませんでした。
令和にはスマホも携帯電話もありますが、昭和にはありません。
遠方の人と連絡を取るには、固定電話を使うか、手紙を出すかしました。
給食にも違いがあります。
給食に牛乳が出ることは変わりないのですが、昭和初期ごろは脱脂粉乳であったのが、令和は脱脂粉乳ではない牛乳です。
こういった、あるものとあるものとの違いを「差異」といいます。
比べるものは同じ分野のものです。
たとえば、A服とB服を比べることでいうと、A服の価格とB服の価格を比べる、A服のデザインとB服のデザインを比べるといったことをいいます。
A服の価格とB服のデザインを比べるとはいいません。
これは違う分野のことになります。
「差異」の使い方
いくつかのものを比べたときの異なる点、という意味で使用をします。
いくつかのものとは、2つのこともあれば、それ以上のこともあります。
「差違」とは?
いくつかのものを比べたときの違いです。
実在のアイドルのダンスと3Dキャラクターのダンスの違いで考えてみます。
アイドルのダンスは、観客の反応を見ながら行うことができます。
観客と一緒に盛り上がることが可能です。
また、人間が行っていることなので、間違いをすることがあります。
3Dキャラクターのダンスは、観客の反応を見ながら行うことができません。
しかし、プログラムされたものなので間違えることがありません。
この例では実在のアイドルと3Dキャラクターについて、ダンスという点で比べてみました。
比べてみると違う部分があります。
こういった違う部分を「差違」といいます。
「差違」の使い方
いくつかのものを比べて違う部分という意味で使用をします。
比べることは同じ分野についてです。
「差異」と「差違」の違い
どちらの言葉も「さい」と読み、意味も同じです。
「異」も「違」も常用漢字です。
どちらの言葉を使用しても間違いではありません。
「異」はことなる、「違」はちがう、ことなるという意味を持つ漢字です。
「差異」の例文
・『差異がはっきりしている』
・『両者の能力に大きな差異はない』
・『孵化したばかりのヒヨコにもオスとメスで差異がある』
・『微妙な差異を発見する』
「差違」の例文
・『文化的な差違』
・『そのくらいの差違は気にしない』
・『そのわずかな差違が影響してくる』
・『歩いて行っても自転車で行っても大きな差違はない』
まとめ
どちらの言葉も読みが「さい」で同じで、意味も同じです。
「異」も「違」も常用漢字で、どちらも使うことができます。