この記事では、「弔辞」と「弔電」の違いを分かりやすく説明していきます。
「弔辞」とは?
「弔辞」は(ちょうじ)と読みます。
「弔」は訓読みで(とむら(う))で、人の死を悲しんで遺族にお悔やみを言うこと、または死者の霊を慰め用途追善を営むことを意味します。
また「辞」は「ことば」のことです。
つまり「弔辞」は故人への弔の言葉であり、またお別れの言葉でもあります。
主に故人と親しかった人が遺族から頼まれて読むのが一般的です。
「弔辞」が読まれるのは、告別式やお葬儀の時で、お通夜では読まれません。
また「弔辞」は絶対に読まれなくてはいけないものではありません。
小規模な家族葬などでは、省略されることも珍しくありません。
「弔辞」を述べるときには使用してはいけない言葉があります。
「忌み言葉」と言い、「重ね重ね」「くれぐれも」「追って」などがあります。
また正式な「弔辞」は性奉書紙か巻紙に毛筆で縦書きですが、現在は便箋に万年筆やボールペンで書くことも多いようです。
英語では“memorial address”、“massage of condolence”と表します。
「弔辞」の使い方
「弔辞」は告別式や葬儀における「故人へのお別れの言葉」で、「弔辞を読む」「弔辞を読み上げる」と表現されます。
「弔電」とは?
「弔電」は(ちょうでん)と読みます。
「弔」の意味はすでに説明しましたが、「電」の意味は「電報」のことで、「弔電報」の略が「弔電」です。
これは遺族に対して、お悔やみの言葉を電報で送ることです。
現在はインターネットの普及により、24時間メッセージを送ることが可能ですが、昔は緊急に連絡やメッセージを伝えたいときには「電報」を使うのが一般的でした。
現在は電報を使う機会は減りましたが、「弔電」や「祝電」などのように冠婚葬祭においては利用されています。
英語では“telegram of condolence”となります。
「弔電」の使い方
「弔電」は「弔電を送る」だけではなく「弔電を打つ」という表現方法も。
これは電報を「うつ」 という動詞と使うためです。
「弔辞」と「弔電」の違い
「弔辞」と「弔電」の違いは明確です。
まず「弔辞」は故人へのお別れの言葉で、告別式や葬儀で読み上げられます。
それに対し「弔電」は、遺族に対するお悔やみの言葉で、電報という形式で送られます。
「弔辞」の例文
・『会長の告別式で弔辞を読み上げたのは、彼の古くからの友人でした』
・『心にしみる良い弔辞でした』
・『弔辞を読むときの心得について教えてください』
・『友人代表として弔辞を読ませていただきます』
「弔電」の例文
・『田舎の友人が急逝したので弔電をうちました』
・『弔電の例文集を参考にしました』
・『弔電の申し込み方法がわかりません』
・『たくさんの弔電をいただきました』
まとめ
「弔辞」と「弔電」は、はっきりとした違いがあります。
この2つを間違えて使うと社会人としては失格ですので、正しく使えるようにしておきましょう。