「情が移る」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「情が移る」とは?意味と使い方

この記事では、「情が移る」の意味を分かりやすく説明していきます。

「情が移る」とは?意味

相手とかかわっているうちに、次第に愛情を感じるようになることです。

ここでいう愛情は恋愛感情のことではなく、いつくしみの気持ちのことです。

ペットがかわいい、子どもが大切といった愛情を指します。

情には、他人に対する思いやりの気持ちという意味があります。

移るとは、物事の性質や状態が変わることです。

こういったことから、「情が移る」とは、かかわっているうちに相手に愛情を感じるようになるという意味になります。


「情が移る」の概要

最初は何とも思っていなかったのに、かかわっているうちに次第に相手にいつくしみの気持ちを感じるようになることがあります。

そのことを意味する言葉です。

家畜のことで考えてみます。

特別な日に食べようと鶏を飼育することにしました。

しばらく育てて太らせてから食べる予定です。

この家では父・母・子どもの3人で暮らしています。

父と母はたんに「とり」としか呼んでいなかったのですが、子どもは鶏に名前をつけて「コッコ」と呼ぶようになりました。

子どもが何度も「コッコ」と呼ぶので、次第に父と母もそのように呼ぶようになりました。

名前をつけると家畜もかわいく思えるようになってきます。

しかも、この鶏は自分の名前を理解しているようで、名前をいうと呼んだ人のことを見るのです。

しばらく飼育をしていたら、鶏は食べるのにちょうどよいくらいに育ちました。

さあ、屠ろうとなったとき、家族は殺すことができませんでした。

鶏がかわいくて、殺すことがかわいそうになってしまったのです。

子どもは「コッコを殺さないで」と泣きながらいいます。

このさまを意味する言葉です。

鶏に対して愛情を持ったために食べることができなくなってしまったのです。


「情が移る」の言葉の使い方や使われ方

何も感じないから大事という気持ちに変わることを指して使用します。

恋愛感情には使用しません。

この場合の大事という気持ちはいつくしみの気持ちを指します。

特に動物について使われることが多いです。

食べようと思って飼育をした家畜、一時預かりをしている保護動物、野生に帰すはずの動物などについて使われることがあります。

かかわっていても、この気持ちにならないことがあります。

その場合は使用しません。

「情が移る」の類語や言いかえ

「いつくしみの気持ちを持つ」「情けを感じる」などが似たような意味の言葉です。

いつくしみとは大事に思ってかわいがること、情けとは他人を思う気持ち、いたわる心のことです。

相手とかかわることで、このような気持ちになってくることがあります。

まとめ

何とも思っていなかった相手のことも、かかわっていると愛情を感じてくるようになることがあります。

なんともないから、大事だという気持ちに変わっていくのです。

このような気持ちの変化をこの言葉は意味しています。

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