この記事では、「想定」と「予想」の違いを分かりやすく説明していきます。
「想定」とは?
起こるであろう状況や条件を仮に設定することです。
未来の不確かなことを、仮にこうであると定めることをいいます。
学校や会社などでは、避難訓練が行われることがあります。
避難訓練は、実際に災害が起こったと仮に定めて行われるものです。
実際には、火事や地震などは起こっていません。
起こってはいないけれど、災害が起こったという条件のもとに、訓練の練習をします。
具体的には、火災が起こったと仮定をした場合には、口元をハンカチなどで押さえて、姿勢を低くして建物内から逃げる練習や、消火器の使い方の練習などを行います。
もしも火災が起こったら煙が発生するだろう、火を消すために消火器を使うだろうなど、起こりうる条件を考えて、このような練習をしています。
この場合は「災害が起こったと想定をして避難訓練をする」ということができます。
「想定」の使い方
こうなるであろうと仮に状況や条件などを定めることを指して使用をします。
結果がどうなるか考えるために行行われるものです。
「予想」とは?
物事がどうなるのか、前もって見当をつけること、またその内容です。
天気予報のことで考えてみます。
天気予報は、晴れや曇りなどの天気や気温などが、こうなるであろうと見当をつけて発表しているものです。
たとえば「明日は34℃を超える予想です」などと伝えられたります。
天気図などから天気の成り行きに見当をつけているのです。
そのときになって「今はこうです」と伝えることではなく、あらかじめこうであろうと見込むことを「予想」といいます。
競馬のことで考えてみます。
馬券を購入する人は、一等はこの馬だろうと見当をつけて、馬券を購入しています。
レースの結果がどうなるかを「予想」しているのです。
「予想」の使い方
この先どうなるかの見当をつけることを指して使用する言葉です。
根拠があって「こうであろう」と出す場合も、根拠がなくて「こうである」と出す場合も、この言葉を使うことができます。
しかし、根拠がある場合は「予測」ということが多いです。
「想定」と「予想」の違い
どちらの言葉も、実際にはそうなっていないことを想像している意味合いがあります。
しかし、同じ意味ではありません。
前者の言葉は、仮に設定をすることを意味しています。
結果がどうなるかを考えるためなどに行われる行為です。
後者の言葉は、見当をつけることを意味しています。
仮の設定ではありません。
「想定」の例文
・『想定外の出来事だった』
・『想定の範囲内です』
・『想定していた以上の売れ行きだ』
「予想」の例文
・『予想していたよりも良い結果になった』
・『予想していたよりも多くの人が来場した』
・『最高気温は36℃になる予想です』
まとめ
「想定」とは状況などを仮に定めること、「予想」とはそうなるであろうと見込むことで、それぞれの言葉の意味は違います。