この記事では、「折衝」と「交渉」の違いを分かりやすく説明していきます。
「折衝」とは?
利害関係を一致しないもの同士が、問題を解決するために話し合うこと、話し合いをして自分に有利になるように働きかけることです。
「折」は、くじく、くじける、「衝」は、かなめ、大事なところという意味を持つ漢字です。
くじくとは、勢いを反らせて弱らせることです。
「折衝」は、弱らせるために大事なことを指していることになります。
自分が有利になるようにするとは、相手を不利にすること、つまり弱らせることといえるでしょう。
この行為は、利害関係が一致しないもの同士で行われます。
たとえば、音楽フェスティバルを開きたい県と、それを阻止したい国という関係です。
そして、これは話し合いによって行われます。
武力で相手を制圧することではありません。
「折衝」の使い方
利益と損害が一致しない相手と、話し合いによって妥協点をみつけることを指して使用をします。
個人と個人、個人と団体の間で行われるものに対しては使用せず、国家と国家、国家と地方公共団体など、公のもの同士で行うものに使用をします。
「交渉」とは?
「交渉」には2つの意味があります。
一つは、ある問題について相手と話し合うことです。
何かを取り決めるために、要求について話し合うことをいます。
たとえば、給与を上げて欲しいと考えていたとします。
給与を決めているのは雇っているものなので、会社員なら会社の上のものと給与について話し合いをします。
この行為が「交渉」です。
話し合いの結果、自分の望む結果になったのかどうかは、意味に含まれていません。
もう一つの意味は、他のものとかかわり合いを持つこと、またその関係です。
人と人、人と組織、組織と組織などがかかわり合うことを意味しています。
たとえば、異性と交際を持つ関係であることを「異性と交渉をもつ」といいます。
「交渉」の使い方
ある事柄について話し合うという意味で使われることが多いです。
個人と個人、個人と組織、組織と組織、国家と国家など、さまざまな組み合わせの話し合いについて使うことが可能です。
「折衝」と「交渉」の違い
どちらの言葉にも話し合いという意味が含まれていますが、使われ方に違いがあります。
前者の言葉は、国家と国家、組織と会社など公のもの同士の話し合いについて使われます。
後者の言葉は、個人と個人など公のもの以外の間の話し合いにも使われます。
また、かかわり合いを持つという意味もあります。
「折衝」の例文
・『軍と国が折衝をする』
・『折衝が行われる』
・『折衝をしなければならない』
・『地元との地道な折衝』
「交渉」の例文
・『交渉を試みる』
・『交渉に成功した』
・『粘り強く交渉を続ける』
・『交渉は長引いているようだ』
まとめ
どちらの言葉にも話し合いという意味がありますが、誰と誰が話し合うのかという点に違いがあります。