「抜け駆け」について
物事にはそれぞれ順番があり、多くの人はその順番に沿って行動しています。
しかし中にはその中から飛び出して早く行動する人もいます。
そんなときに「抜け駆け」という言葉を用いられます。
使われる場面・機会から言葉に悪い印象を持つ人も多いです。
しかし使う機会の多さからも適切な意味・使い方を知っておく必要があります。
「抜け駆け」の意味とは
「抜け駆け」という言葉の意味としては集団の中で他者を出し抜き、自分が物事に周囲よりも先にありつくという意味を持ちます。
出し抜くうえでも基本的には一人で行動する際に適応します。
しかし時には一人ではなく、全体の中の一集団という形でも適応します。
元々は戦時中、功績を上げるために陣を抜け出して単身で敵陣に乗り込んでいく様から由来しています。
しかし現在では他の人を出し抜くということ自体に悪い印象を持たれることが多いです。
そして集団という共有空間の中からひっそりと抜け出すため、裏切りのようにマイナスイメージを含む言葉として認識されています。
「抜け駆け」の言葉の使い方
「抜け駆け」という言葉を使うにあたり、現在では他者を出し抜く際に「秘密裏に動く・騙す」といったニュアンスを含んで用いられることが多いです。
そのため使う相手に対してマイナスイメージを含んで用いられることが多いです。
行っていること自体に問題はなくても「抜け駆け」をしたことを責める・指摘する使い方として用いられやすいです。
また時には「抜け駆け」に伴うマイナスイメージを残された集団で共有する使われ方もします。
そのことから使われた相手は「悪口を言われている」と認識しやすく、使っている人も周囲に意識はなくても「悪口を言っている」と認識されやすいため注意が必要です。
「抜け駆け」を使った例文
「抜け感」という言葉は行いの良し悪しに関わらずマイナスイメージを含めた使われ方をされやすいです。
そのため誤解やトラブルを起こすリスクもあります。
それを避ける上でもどのような使い方が適切か、例文とその解釈を紹介します。
「抜け駆け」の例文1
「友人に『あの人はみんなで一緒にやると言ってもいつも抜け駆けするよね』と愚痴をこぼした」
この場合、あの人とされる人物への普段の行いに対する不満を儀地にしています。
普段から集団で決めたことでも一人で先に行動してしまうことが多く、それを「抜け駆け」と悪い印象をもって伝えています。
そしてそのことを本人には直接伝わらないように友人に話しています。
「抜け駆け」の例文2
「あの人はいつも先見の目を持っているから、何でも抜け駆けして成功してきたね。」
ここでのあの人とされる人物は物事において人よりも先に行動できており、その背景には先見の目を持っていると感じています。
そして人よりも行動できることが成功につながっていると良い評価の意味で「抜け駆け」 と使われています。
「抜け駆け」の例文3
「集団において大切なことは協調して動くことだと思う。
だから抜け駆けは良くないことだと伝えた」
ここでは他者に対して集団における「抜け駆け」は良くないことだと自身の意見を話しています。
その理由としては集団において全体の協調性が大切であり、輪を乱すことは良くないと考えているためとしており、「抜け駆け」することを否定しています。
「抜け駆け」の英語と解釈
「抜け駆け」という言葉は様々な表現で英訳されています。
先駆けるというニュアンスでは“forestalling”となります。
また先んじて情報を得る・捕まえるといったニュアンスでは“get a scoop on”と表現されます。
そして本来の出し抜くという意味合いでは“steal a march on”となります。
どれも「抜け駆け」を表しますが、その意味の広さから表現も多く、それぞれの使い分けが求められます。
「抜け駆け」の類語や類義表現
「抜け駆け」という言葉は様々な場面で用いられており、類語・類義表現も多く存在しています。
どのようなものがあるか、例を紹介していきます。
「先手を打つ」
この言葉の意味として、先のことを予測して予め対策を練っておく・準備をしておくということを意味します。
気づかれずに相手よりも先に行動をするという点から類義表現とされています。
「出し抜く」
この言葉の意味として、相手よりも先に行うという意味を持ちます。
その背景には相手のスキを突いたり、騙すといった過程が伴うことが多いことからも類語として扱われています。