この記事では、「推察」と「推定」の違いを分かりやすく説明していきます。
「推察」とは?
「推察」は、目には見えない要素を察することです。
つまり、推理をしていくうえで、他者の感情のような物を考えるのが推測で、例えば、死亡事故が起きた場合、その原因を考えていくうえで相手の立場を理解していくことを「推察」と呼びます。
「推定」とは?
「推定」は、物事を推理していくうえで、証拠となる資料を用いて恐らくこうであるという結論までを出そうとすることです。
ただし、完全にこうだと結論付けるのではなく、恐らくこうだろうという予想でよく、完全に物事の謎を解くことではないです。
「推定」は、今ある資料や状況証拠を用いて現在分かっている限りの情報で恐らくこうだと考えるだけの行為になります。
「推察」と「推定」の違い
「推察」と「推定」の違いは、推理をしていくうえで、他者の事情から物事を考えていくか、事実に基づいて考えを組み立てていくかという違いです。
「推察」は言ってしまえば、恐らくこの人物の考えはこうであるという推理から物事を考えることで、「推定」のように事実となる証拠を上げているわけではないです。
「推察」の例文
・『この事故は、運転手側の居眠りだと推察する』
この例は、死亡事故の原因は、運転手側が居眠りをしていた点にあると予想している点です。
あくまで予想なのでもっと事実確認をする必要性があり、事実確認後に証拠が生まれますので証拠を用いて物事の発端を確かめる必要があります。
「推定」の例文
・『今回の事件は集団自殺であると推定します』
この例は不明確な点が多いが、一応現在分かっている状況や証拠から判断するに、集団自殺であると予想したという例です。
「推定」は、理由はよくわからないが恐らく状況証拠や現場にある証拠から原因を特定して決めることにあり、この例では、状況証拠と現場にある証拠から集団自殺であると結論付けています。
ただし、もっと証拠を集めたり、実は殺人事件だという証拠があれば、別の事件として「推定」した事件を扱うので「推定」は覆ることもあります。
まとめ
「推察」と「推定」の違いは結論の出し方が異なり、「推察」はあくまで不確定要素を考える際、相手の気持ちや集団の心理などを考えて、恐らくこうだとすることです。
逆に、推定は、不確定要素があるが、今分かっている事実を証拠に推理を行うため状況証拠や現場にある証拠から物事を推理します。
なお両者とも推理であるが故、不確定要素があり、完全に犯人を特定することではないです。
その為、「推察」と「推定」は間違った考えを述べていることもあり、事実が分かり次第覆ることもあります。
つまりは、「推察」と「推定」は確定した事実を述べているわけではなく、分かっている範囲や分からないことを予想して述べているにすぎないため事実が分かり次第両者の言葉は変化していき事実を述べる言葉に変化するのです。
なお、事実を述べる言葉は確定などです。