この記事では、慣用句の「故人を偲ぶ」の意味を分かりやすく説明していきます。
「故人を偲ぶ」とは?意味
「故人を偲ぶ」の読みは「こじんをしのぶ」で「亡くなった人を、懐かしい気持ちで思い出すこと」を意味する慣用句です。
「故人を偲ぶ」の概要
「故人を偲ぶ」の慣用句を構成する「故人」と「偲ぶ」について少し詳しく説明します。
「故人」を辞書で調べると、「死んだ人」と言う意味と、「古くからの友人すなわち旧友」の2つの意味が記載されています。
私達が日常的に使うのは、前者の 「死んだ人」の意味で、後者の意味があることは、ほとんどの方がご存知ないと思います。
この慣用句では、前者の意味を指しています。
また「偲ぶ」を辞書で調べると「過去のものごとや、遠く離れている人や場所などを懐かしい気持ちで思い出すこと」や「心が惹かれて、思いを巡らすこと」や「ものの美しさに感心して味わうこと」の3つの意味が記載されています。
慣用句の「故人を偲ぶ」では、一番目の意味で使われています。
従って、「故人」と「偲ぶ」の二つの言葉の意味を繋げれば、「亡くなった人を、懐かしい気持ちで思い出すこと」となるのです。
ここで「故人」に対しては、「故人を偲ぶ」の他に、「故人を悼む」と言う慣用句もあります。
この二つの慣用句の違いについて、次に触れておきます。
「悼む(いたむ)」とは「人の死を悲しみ嘆くこと」を意味する言葉で、 「故人を悼む」の意味は、「ある人が亡くなったことを、悲しみ嘆くこと」であり、一方の本記事で取り上げている「故人を偲ぶ」は「亡くなった人を、懐かしい気持ちで思い出すこと」を意味し、明らかに意味が異なります。
家族や親しい人が亡くなった際や、それを知った時には、まず人は驚いたり、悲しんだり、嘆いたりします。
これを表現するのが「故人を悼む」です。
しかし故人が亡くなってしばらく経つと、心も落ち着き、時として故人と過ごした日々やエピソードを懐かしく思い越したりするものです。
これを表現するのが「故人を偲ぶ」です。
もちろん、「故人を偲ぶ」ことで、悲しい気持ちが思い起こされることもありますが、死の直後ほど強烈なものではなくなっているはずです。
二つの慣用句には、以上のような違いがあることを正しく知り、しっかり使い分けたいものです。
「故人を偲ぶ」の言葉の使い方や使われ方
「故人を偲ぶ」の言葉は、以下の例文のように使われます。
・『故人を偲ぶことを重視して、90歳で他界した祖母を家族葬で送った』
・『あの有名な俳優の死に対して、通夜葬儀は近親者で行い、後日故人を偲ぶ会を行うと発表がありました』
・『お世話になった大学教授の死から1年を経て、愛弟子が集い故人を偲ぶ会を催した』
「故人を偲ぶ」の類語や言いかえ
「故人を偲ぶ」の「故人」の類語としては、「死者」や「亡き人」が挙げられます。
また「偲ぶ」の類語としては、「思い出す」や「思い起す」や「懐かしむ」などが挙げられます。
従って「故人を偲ぶ」の言い換えとしては、二つの言葉の類語を組み合わせて「死者を思い出す」や「亡き人を思い起す」や「亡き人を懐かしむ」などとすることが出来ます。
まとめ
「故人を偲ぶ」とは「亡くなった人を、懐かしい気持ちで思い出すこと」を意味する慣用句です。