「既成」と「既製」の違いとは?分かりやすく解釈

「既成」と「既製」の違いとは?違い

同音異義語はただでさえ区別がつきにくいですが、二字熟語で片方の文字が同じだと、意味も似通ってより区別が難しくなります。

特に「既成」「既製」は、辞書で調べても同じことしか書かれていない場合もあるので、かなり厄介な同音異義語です。

この記事では、「既成」「既製」の違いを分かりやすく説明していきます。

「既成」とは?

「既成」とはすでにできあがっていることを指す言葉ですが、物事や考えのような形がないもの、出来事に対して使われます。

成という字がなしとげる事や、つくりあげる事、しあがる事を指す文字であり、物自体ではなくそれを完成させた事実を指す意味のある漢字です。

なので成が使われている「既成」も、「既成」事実や「既成」概念のように、すでに起きている出来事や、すでに成立している考え方に使われます。

物に対して「既成」品という事もありますが、その場合すでに存在している物という意味になります。

例えば新しい商品として考え開発した物が、機能などの特徴がすでに他の会社の商品とほぼ同じだったという場合などに、「既成」品と言われます。


「既製」とは?

「既製」もすでにできあがっていることを指す言葉ですが、こちらは完成した後の物質としてできあがっている物、あらかじめ作られた物を指します。

製は作ることの他に、作ったものという意味もあり、「既製」の製は後者の作ったものという意味です。

そのため製が使われている方の「既製」は、「既製」部品や「既製」商品のように、すでに完成していて作り上げられている物体に対して使われています。

商品として販売するため、道具などとして使うために作って用意してある物、お店の棚に並んでいる物は、全部があらかじめ作られた「既製」品です。

注文して購入する場合でも、注文して作ってもらうものだけが「既製」品ではなく注文品で、注文して他から持ってきてもらうならそれは「既製」品になります。


「既成」と「既製」の違い

「既成」「既製」の違いは、できあがっていることが事柄なのか物なのかという違いです。

「既成」の場合は既に起こった出来事であったり、概念や考え方、思想としてすでに成立していることを指します。

「既製」の場合は作り上げられてできあがった物、完成品が既にできている物を指します。

一言にするなら「既成」は概念的に成立していること、「既製」は物質的に完成していることです。

物として形のないものができあがったりなしとげたり、すでにある場合には「既成」を使い、それが物としての形の場合には製造の方の「既製」と使い分けることになります。

まとめ

「既成」「既製」は物なら「既製」、物以外なら「既成」と大まかに分けられますが、コンセプトがすでにある物と同じという意味で、物にも「既成」が使われることがあるのがまた厄介です。

物事や概念的なら「既成」、物自体なら「既製」と覚え、概念と物のどちらを指したいのかで、判断するしかないでしょう。

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