この記事では、「暗晦」の意味を分かりやすく説明していきます。
風情のある言葉を、ひとつずつ学んでいきましょう。
「暗晦」とは?意味
暗晦(あんかい)とは、とても暗いこと。
家の灯りが見えないくらい、まっくらな様子です。
何があるのか周りの状況が分からないくらい、うっそうとした暗がりをあらわしています。
墨汁を垂らしたような、ブラック一色であることが「暗晦」です。
そもそも「暗晦」という熟語には「暗」と「晦」という2つの漢字がつかわれています。
「暗」には「黒っぽい」という意味があります。
そして「晦」には「月が出なくて、とても暗い」という訳があります。
新月の日のように、月が出ていなくてまっくらな闇のこと。
月明かりがない夜更けのような環境を「暗晦」といいます。
一寸先も見えないくらい、ダークな空間のこと。
宇宙のように、闇に沈んでいく暗がりを「暗晦」と呼んでいます。
「暗晦」の概要
「暗晦」は灯りの乏しい暗がりをあらわしますが、心の暗さについても用いるケースがあります。
「暗晦とした時代」というと、先が見えないために不安にかられる心情をあらわしています。
これから先の未来に対して、心配になること。
進むべき人生に対して、不安に思う様子が「暗晦」です。
ちなみに「晦」という漢字は「大晦日」に使われている言葉です。
一文字だけで「晦(つごもり)」と読みます。
枕草子の歌にも出てくる言葉で「月の隠れる日」という意味があります。
明るい希望が見えない日々を過ごしていると、表情まで暗くなってしまうもの。
沈みがちな日々であったとしても、自分なりの楽しみを見つけながら、明るく過ごしていきたいものです。
「暗晦」の言葉の使い方や使われ方
「暗晦」はこのように使っています。
・『将来を不安に感じたのか、彼女は暗晦とした表情を浮かべていた』
・『嵐がきたため、空は暗晦としている』
・『山奥のロッジまでの道は、どこを見ても暗晦としていた』
「暗晦」は元気のない表情や、黒っぽい空模様、光のない道などに使います。
光のない状況をさす言葉が「暗晦」です。
「暗晦」の類語や言いかえ
「暗晦」はこの言葉に置きかえできます。
・朔
・晦冥
・先行きが不透明
・気持ちが沈む
朔(さく)とは、月の光が届かない新月のこと。
晦冥(かいめい)は光が消えて、辺り一面まっくらになる様子をあらわしています。
このほか心理的な落ち込みを伝える「暗雲が垂れ込める」「不安がつのる」などの言葉にも、置きかえできます。
まとめ
「暗晦」の意味と使い方をおさらいしました。
「暗晦」とは月や星の灯りが見えないような、ダークな風景のこと。
見通しの悪い状態をあらわします。
将来に対して不安を感じる様子、先の見えない時代に焦りをおぼえる状態も伝えています。
「出口のないトンネルはない」というように、いつかは必ず明るい月が戻ってくるもの。
吉報を信じながら、明るく前を向いていきたいものです。