この記事では、「未決囚」【みけつしゅう】の意味や使い方、例文を分かりやすく説明していきます。
「未決囚」とは?
「未決囚」とは、警察に捕まりましたが、まだ具体的に判決がくだされていない被疑者を意味しています。
未決拘禁者とも呼び、逮捕された後は刑事施設へと入れられますが、まだ刑罰が確定していないためどのくらいの期間刑務所に収監すればいいのか決まっていない被疑者や被告人を指します。
刑事施設に収容された「未決囚」は、警察や検察から取り調べを受けることで裁判を開いた際に必要になる被疑者の発言を記録して裁判所へ提出し、証拠となる書類を制作するわけです。
このときはまだ裁判で有罪判決が決まっていないため無罪の状態ではありますが、証拠隠滅を図ったり、逃走しないように施設へと収容します。
「未決囚」の概要
まだ本当に事件や事故に関与したか詳細が明らかではなく、まだ裁かれていない被疑者を「未決囚」と言って施設へ収容して取り調べを受けさせて証拠を集めている段階であり、有罪か無罪か下す前の状態の者を本人の人権と名誉の保全を考えたうえで留置場と呼ばれる独立施設で寝泊りさせます。
この独立施設の床は基本畳であり、外に逃げ出さないよう考慮した構造となっていますし、証拠隠滅防止もはかられています。
他に収容されている犯罪者とは顔を合わせないように配慮し、接触しないように配慮されてあるのも特徴的です。
この留置場へ収容される被疑者は逮捕された後、逮捕の期限が終われば身柄を拘束し、検察によって起訴された後は拘置所へ移送されるまで収容される場所になります。
「未決囚」の言葉の使い方や使われ方
「未決囚」と呼ぶのは主に被疑者を取り調べる警察や検察、裁判官などで、とくに拘置所内で働く人の間ではこのような言葉で認知され、死刑囚や判決が下された者と区別するときに使われています。
犯罪に関与したと容疑をかけられても裁判で裁かれ、刑罰が下されていない以上その被疑者は「未決囚」と呼び、拘置所へ移送されるときに使います。
その後、事件に関与したと刑罰を受ける受刑者になるまでは「未決囚」と言いますが、拘置所内では既決囚に切り替わり、刑務所に収容される受刑者と同じように収監される刑務所を選考し、定められた規約の下、服役することになります。
「未決囚」を使った例文(使用例)
・『未決囚が自ら作業したいと申し出ることで紙細工作業やることになり、作業賞与を受け取れる』
・『教育を受けなくてもいい未決囚は、害のないものであれば文書も図画も好きなものを閲読可能だ』
・『未決囚は自弁で寝具や衣類を揃えますが、これは生活程度をなるべく拘禁される前と同じようにした考慮である』
自ら稼いだ作業の収入は国庫へと帰属されますが、作業賞与金は在所中にも自由に使えます。
受刑者のように教育を受ける時間があるわけでもないので、時間があれば文書を読んだり、図画も楽しめます。
拘禁する前の生活ができるよう服も寝具も自分が使っているものを用意してもいいとされている「未決囚」の身の回りの雑務は刑務所にいる受刑者が担うため、原則として重労働は科せられません。
まとめ
まだ刑罰が決まっていない被疑者を「未決囚」と呼び、取置場に収容して、なるべく収監前の日常生活させながら食事を提供し、望むなら作業もさせて金銭も与えたり、好きな本を読んで過ごすことも可能です。
収容されている間は裁判へ提出するための証拠を集めるために警察や検事に取り調べられた後、判決が下されるまでは「未決囚」と呼びます。