この記事では、「未熟者」と「若輩者」の違いを分かりやすく説明していきます。
「未熟者」とは?
「未熟者」は修練が必要な過程において、修練が足らず他社よりも見劣りしている物を指します。
「未熟者」は自分からそうであると述べることも可能で、かつ第3者から「未熟者」であると言われれば、修練が足らず、他者よりも劣っているのです。
「若輩者」とは?
「若輩者」は、第3者から見て謙虚な姿勢で実力が伴っていないことを伝える言葉で、実は自分から能力が足らないことを言うのではありません。
あくまで、他人側が、対象となる人物に対してやんわりと実力が足りないのではないかを述べるのが「若輩者」です。
なお、「若輩者」という言葉が急速に使用されなくなったのは高齢化により教官となる者の方が教えを乞う側よりも若いという問題が生じ始め、だんだんと姿を消した言葉となりました。
「未熟者」と「若輩者」の違い
「未熟者」と「若輩者」の違いは相手側が未熟であることを述べる際、控えめで謙虚な気持ちで未熟であると述べるか、率直に未熟であると述べるかです。
「若輩者」は実は、自分のことを示さず、自分から見て相手側がどうであるかなので未熟なのは相手側で、相手側に対して謙虚に言うことです。
逆に、「未熟者」は、率直に相手または自分の実力が大したことが無いことを意味します。
「未熟者」の例文
・『自分はまだ未熟者故人を教える立場にありません』
この例は、自分の能力が他に劣るが故、指導者としての立場にないことを周囲に述べています。
恐らく次の指導者となる者を探している人物が、対象を指名したが、対象側が拒否した例です。
「未熟者」は自分を対象にでき、この例は自分を対象としています。
「若輩者」の例文
・『貴殿は未だ若輩者故指導者にあらず』
この例は、対象となる人物が未熟であるが故指導者としてふさわしくないという例です。
「若輩者」は、未熟である側が自分を指すために言うのではなく、第3者がそのように判断し、未熟である物に対して使用します。
まとめ
「未熟者」と「若輩者」の違いは、未熟であると結論付ける人物が自分や相手を指すか、相手だけを指すかです。
「若輩者」は、自分から見て相手側が未熟であることを指しますので、自分のことを「若輩者」というのは間違いで自分が大したことが無いのにも拘らず、変に気を使って自分は大したことが無いというのは日本語として成立しません。
その為、「未熟者」という言葉の方が相手や自分が大したことが無いと言い切れますのでお勧めの用語です。
なお、「若輩者」は、指導する立場にある物が若い場合、指導を受ける者がお年を召している場合、言葉としてお年を召した側にある者が若いというのはおかしいということで、高齢化社会においてはだんだんとふさわしい言葉から外されており、今現在においては、「未熟者」という言葉の方がふさわしい言葉であるとされています。