この記事では、「準ずる」と「準拠」の違いを分かりやすく説明していきます。
「準ずる」とは?
「準ずる(じゅんずる)」とは、「ある物事を尺度にして、それに従うこと」を意味しています。
「準ずる」という動詞は、「派遣社員でも正社員に準ずる社会保障制度があります」のように、「あるものと同じ資格を持つものとして待遇する」の意味で使われます。
「準ずる」というのは、「ある一定の基準や資格を設定して、それに相当する処遇をする」といった意味合いを持っている表現なのです。
「準拠」とは?
「準拠(じゅんきょ)」とは、「ある基準に従うこと・拠りどころになっている物事や指標」を意味しています。
「準拠」という表現は、「ある物事や規格に依拠してそれに従うこと・ある基準にならってそれに合わせること」を示唆しているのです。
「準拠」の言葉が拠りどころにするものとして、「基準・規格・法律・作品(原作)・歴史(史実)・調査結果」などを想定することができます。
例えば、「幕末の新撰組の人物・エピソードに準拠して創作されたアニメ作品です」や「JIS規格に準拠した工業製品・部品しかこのお店では取り扱っていません」といった例文で使用することが可能です。
「準ずる」と「準拠」の違い
「準ずる」と「準拠」の違いを、分かりやすく解説します。
「準ずる」と「準拠」の二つの言葉には、意味そのものの違いはありません。
「準ずる」というのは、「前提となるものを拠りどころにして従うこと」を示す言葉です。
「準拠」の表現もほぼ同じように、「ある基準などに依拠して従うこと」の意味合いを持ちます。
ただし「準ずる」は「動詞」であり、「準拠」は「名詞」であるという品詞分類の違いはあります。
また「準ずる」は「あるものと同じ立場や資格を持つものとして処遇する・ある基準を立ててそれに相応する扱いをする」といった意味のニュアンスが、「準拠」よりも強くなっている点が異なっています。
「準ずる」の例文
・『この高校の校則は付属の中学校の校則に準じていますので、基本的に洗髪やパーマなどの髪型・髪色は禁止になります。』
・『この車の各種のパーツは先代モデルまではそれ以前のモデルの規格に準ずるものが使われていましたが、最新モデルで変更されました。』
「準拠」の例文
・『この学校の授業では国の定める基準に準拠した検定教科書を使っていますが、市販の参考書にも分かりやすい解説のものが多くあります。』
・『漫画・アニメを実写化(映画化)する際に、原作に準拠していない独自のストーリーを織り込んでしまうと原作レイプという批判を浴びやすくなります。』
まとめ
この記事では、「準ずる」と「準拠」の違いを説明しましたがいかがでしたか?
「準ずる」とは「ある手本に準拠していること、ある基準から外れるに合致しているさま」を意味していて、「準拠」は「ある物事を拠りどころにして従っていること」を意味している同義語として解釈することができます。
「準ずる」と「準拠」の違いについて詳しく知りたい人は、この記事の内容をチェックしてみてください。