この記事では、「濃口醤油」と「刺身醤油」の違いを分かりやすく説明していきます。
「濃口醤油」とは?
「濃口醤油」という名前からすると、とても塩味の強いとろりとした濃度の高い醤油をイメージするかもしれません。
しかしながら、この濃口醤油こそが全国区で販売されている最もポピュラーな醤油なのです。
全国の醤油消費の約8割を占めるというのですから、これぞ日本の味と言っても過言ではありません。
元々、醤油の種類はそれほど多くはなく、大まかに分けると5種類になります。
濃口、淡口(うすくち)、溜(たまり)、白、そして再仕込みです。
中でも淡口醤油は濃口醤油と同じくらい知られていますが、意外にも濃口醤油よりも塩分が高いという特徴があります。
そして、主に関西で好まれています。
これには素材の色を生かした料理に仕上げたいという料理人の思いが込められているからなのですが、関西は出汁を効かせた薄味という先入観があるために、淡口醤油は薄味と思い込んでしまっているわけです。
濃口醤油が好んで使われている理由のひとつは、安価であるという点です。
醤油の始まりは溜醤油だったのですが、供給が追い付かなくなったことから現在の濃口醤油が誕生したという歴史があります。
それが1640年代に入ってからのことですから、濃口醤油がいかに日本人の食生活を支えてきた存在であるかが分かります。
「刺身醤油」とは?
「刺身醤油」という存在は本当に不思議です。
実は、これといった確実な定義があるわけではありません。
敢えて言うなら、「刺身を食べるときにマッチする醤油」ということです。
全国各地で出回っている刺身醤油の味は様々であり、甘口のものもあれば濃度の高いものまであります。
これは、全国に醤油メーカがあり、それぞれが地元の人に好まれるよう味を調えているからなのです。
海国である日本では、鮮度の良い刺身はご馳走として昔から食されてきました。
そのときに合わせたい特別感のある醤油として、各醤油メーカーが各々刺身醤油と名付けたために味もまちまちなのです。
「濃口醤油」と「刺身醤油」の違い
「濃口醤油」と「刺身醤油」の違いを、分かりやすく解説します。
「濃口醤油」は全国で最もたくさん消費されているポピュラーな味の醤油です。
一方の「刺身醤油」は、全国各地にある醤油メーカーが作っているために味は実に様々です。
北と南では別の調味料に感じるほど違いが生じます。
画一的な味の濃口醤油と地域性豊かな味の刺身醤油は、味に大きな違いがあります。
まとめ
味噌味と並んで、醤油味は日本食に欠かせません。
毎日の食事だけでなく、インスタントラーメンやお菓子のフレーバーとしても好まれています。
その醤油に種類があるのは漠然と知っていたとしても、あまり意識しないままに食していることでしょう。
日本のどこかに、自分好みの刺身醤油がある可能性があります。
それが見つかるまでは、いつもの濃口醤油で美味しい毎日を楽しみましょう。