「無体を働く」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「無体を働く」について

無体を働くという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

無体を働くという表現は慣用句ではなく、無体という言葉が大切になります。

無体とは名詞と形容動詞で使われる表現であり、古くは「むだい」と呼ばれたこともありました。

ここでは無体を働くという表現について紹介します。

「無体を働く」の意味とは

無体を働くという表現は無理なことをする、乱暴をする、という意味です。

無体とは無理なことや無謀なことを指しており、無体を働くという表現は無理なことをする、という意味になります。

無体を働くという表現は確かに慣用句ではありませんが、無体という言葉に対しては「働く」という動詞を使います。

無体をする、などという言い方はしませんので注意が必要です。

「無体を働く」の言葉の使い方

無体を働くという言葉は「無体」のみならず、「無代」「無台」と書く場合があります。

無体を働くという表現は時代劇などで使われることも多く、女中が悪い代官に手籠めにされる時などに使われる表現でもあります。

これ以外にも「ご無体な」という表現があり、これは主に目上の人に対して使われます。

「無体な仕打ち」を略した言葉です。

「無体を働く」を使った例文

ここでは無体を働くという表現を使った例文を紹介します。

どのような場面で使われるのか、しっかり覚えておきたいものです。

「無体を働く」の例文1

「代官はおとなしい女中に無体を働いた」

これは無体を働くという言葉が使われるシチュエーションでよく想起されやすいものだと言えます。

時代劇などで、女中の帯がくるくると解かれていくシーンなど見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。

特にご無体なという表現はこのようなシチュエーションで使われやすい言葉です。

おとなしい女中に無体を働く代官もいたかもしれません。

「無体を働く」の例文2

「あの人たちは通行人の女性たちに無体を働いた」

夜道など、一人で歩く時にはとにかく気を付けなければいけません。

夜間、明かりのない道を一人で歩いたら、危険な目に遭う可能性もあります。

女性を狙う不審者などもいますし、暴行などをされてしまったら大変です。

自分の身は自分で守りたいものです。

「無体を働く」の例文3

「この企業は従業員たちに対して無体を働いた」

この場合は、企業が従業員たちに対して無理を強いたということになります。

例えば長時間労働に対して賃金が支払われない、福利厚生が充実していない、あるいは女性が明らかに不当に扱われているなどという事もあるかもしれません。

或いはリストラなども無体に含まれます。

「無体を働く」の英語と解釈

無体を働くという表現を英語にすると、“use violence”“do violence”と言った表現も使えますが、無理を強いるという意味ならば“force something impossible”などと言った表現も使えます。

文脈によって意味合いが異なりますので、直訳はしないようにしましょう。

「無体を働く」の類語や類義表現

ここでは無理を働くという表現の類義語をいくつか紹介します。

様々な言い回しを知っておきたいもんです。

「乱暴をする」

代官が女中に無体を働く場合などは、乱暴をする、暴行をする、といった意味合いが含まれます。

そのため、乱暴をするという表現は無体を働くという表現の類義語だと言えるでしょう。

ただし、場合によっては乱暴や暴行などといった悪い意味を持たない場合もありますので、注意が必要です。

「無理を強いる」

乱暴という意味ではなかったとしても、無理を強いる、無理をさせる、などという意味を持つこともあります。

この場合は暴行などと言った意味合いが含まれませんので、無理を強いるなどといった表現が類語義後になります。

乱暴という意味が含まれるかどうか、しっかり見極める必要があります。