この記事では、「発令」と「発出」の違いを分かりやすく説明していきます。
「発令」とは?
「発令(はつれい)」とは、「(対象となる人を従わせるための)法令・命令・指示などを出すこと」を意味しています。
例えば、「中国がビットコインの取引を規制する法令を発令しました」や「アメリカがセーフガードを発令して中国製品に高い関税をかけました」などの文章で使われます。
「発令」という言葉には、「(対象者に注意・警戒をうながすための)警報・注意報などを出すこと」という別の意味合いもあります。
例えば、「本日の18時に自治体が大雨注意報を発令しました」や「ゲリラ攻撃を受けたその国は国家非常事態宣言を発令しました」などの例文で使うことができます。
「発出」とは?
「発出(はっしゅつ)」とは、「ある物事が現れでること・ある事象が起こること」を意味しています。
「発出」という表現には、「出発すること・(使節などを)遣わして送ること」といった意味合いも備わっています。
例えば、「帰省する自動車で高速が大渋滞を起こす問題が発出しました」や「朝一番の飛行機の便でアメリカに発出しました」といった例文で使用することが可能です。
「発令」と「発出」の違い
「発令」と「発出」の違いを、分かりやすく解説します。
「発令」とは、「(それに相手を従わせるような)命令・法律的なルール・指示を出すこと」や「警報を出すこと」を意味しています。
しかし、「発出」には「相手に言うことを聞くように求めるような命令や法令などを出す」といった意味合いが備わっていないという明らかな違いがあります。
そのため、「当該国からの輸出品を買わないという経済制裁を発令しました」という文章における「発令」を「発出」に言い換えることはできないのです。
逆に「発出」という表現は、「ある現象が起こったり現れたりすること」や「出発すること・派遣すること」をシンプルに意味しているのですが、「発令」にはそれらの意味がないところにも違いを指摘できます。
「発令」の例文
・『日本のコロナ禍では何回も緊急事態宣言が発令されましたが、その宣言によってどのくらい感染者数・重症者数を実際に減らせたのかについて確実なデータはありません。』
・『新年度のスタートに合わせて本社から人事移動が発令されましたが、課長の私から見ると適材適所の人材配置からは程遠いものに見えました。』
「発出」の例文
・『北朝鮮において金正恩体制が崩壊する大きな政変が発出すれば、周辺諸国に難民が溢れ出る恐れがあり日本も無関係ではいられません。』
・『最終の大阪行きの新幹線が発出しましたが、その新幹線に一緒に乗るはずだった同僚が駅に来ていませんでした。』
まとめ
この記事では、「発令」と「発出」の違いを説明しましたがいかがでしたか?
「発令」とは「(上から相手を動かすようなかたちの)法令・命令などを出すこと」を意味していて、「発出」というのは単純に「何かが現れ出てくること+ある地点から出ること」を意味している違いを挙げることができます。
「発令」と「発出」の違いについて詳しく知りたい人は、この記事の解説をチェックしてみてください。