この記事では、「相当」と「充分」の違いを分かりやすく説明していきます。
「相当」とは?
「相当」【そうとう】とは、量や程度が同じくらい似つり合っていることを指す言葉です。
程度を大きく超えているという意味でも使われます。
漢字の「相」はおたがいに、という意味を持ちます。
「当」は、同じ条件をそなえている、あてはまっていることを表す漢字です。
これらを組み合わせた「相当」は、ある二つのものを比べた場合、互いにつりあって程度が同じくらいであること、または片側がそれ以上に条件を満たしているさまを表しています。
「相当」は、主に「同じくらい」と「かなり、はなはだしい」の二通りの意味で使われます。
「同じくらい」という意味の「相当」の類語は「相応」【そうおう】、「同等」【どうとう】です。
「かなり、はなはだしい」という意味の類語には「よっぽど」「過度」【かど】などがあります。
「同等」と「かなり」に程度の差があるように、状況によって「相当」の示す割合や程度がはっきり変わるところが特徴です。
「相当」の例文
・『千円相当の記念品を差し上げます』
・『この犬はこんなにおびえて、相当ひどい目にあったんだな』
「充分」とは?
「充分」【じゅうぶん】とは、ものや気持ちが満たされている、足りている様子を表す言葉です。
漢字の「充」は、中身が満たされていること、しっかり詰まっていることを意味します。
「分」は程度や量という意味です。
「充分」は、あるものの量が不足することなく、中がしっかり満たされている様子を表します。
漢字は「十分」とも表記しますが、基本的に意味は同じです。
ものが物理的に満たされている場合は「十分」を、感覚的に満たされていることを表す場合は「充分」をあてると、場面に合った使い分けになります。
類語は「充足」【じゅうそく】、「満ち足りる」などです。
これらは、しっかり満たされていることを表す点が「充実」と共通しています。
また「充分」は「ものが満たされていること」とは少し違うニュアンスで「残すところがなくしっかりと」「必要以上にあること」も表します。
その場合は「過不足ない」「申し分ない」「存分に」などに言い換えることが可能です。
「充分」の例文
・『気合いは充分にあるのできっと勝てると思う』
・『充分にかき混ぜてから食べるのがコツです』
・『ガソリンはまだ充分に残っているので、遠くまでドライブできそうだ』
「相当」と「充分」の違い
「相当」と「充分」の違いを、分かりやすく解説します。
「相当」は、ものの量や程度が同じくらいでつり合っていること、または程度がはなはだしいことです。
「充分」は、ものや気持ちが満たされしっかり足りていることです。
ものの量や程度を漠然と表しているところは同じですが、それぞれの示す量や程度は異なります。
「相当」は同じくらいでちょうど良い、またははなはだしいことを表します。
「充分」は、ものがちょうどよく満たされている状態が「相当」と似ていますが、精神的な満足感を伴うニュアンスを含むところが「相当」と異なっています。
まとめ
「相当」と「充分」はどちらも量や程度を漠然と表現する言葉ですが、それぞれの意味やニュアンスは異なっています。
正しい意味と適切な使い方を理解し、ものの程度や気持ちを伝える際に的確な使い分けをしていきましょう。