この記事では、「破壊」と「破断」の違いを分かりやすく説明していきます。
「破壊」とは?
物に力を加えて形を変えたり、機能を失わせたりすること。
組織や秩序などに働きかけをして、本来の働きを失わせることです。
また、そういったものが変わってしまったり、失われたりすることです。
窓ガラスを「破壊」することで考えてみます。
窓ガラスには、外気が室内に入り込むことを防ぐ役割があります。
壁で覆ってしまえば、外気が室内に入り込みにくくなりますが、これでは日差しが室内に入ってきません。
窓ガラスは透明性があり、外部とある程度遮断してくれますが、光は室内に届けてくれます。
つまり、建物の外部と内部をつなぐ役割もあるのです。
ガラスは固いもので叩いたり、固いものを投げつけたりすると、粉々になってしまいます。
本来の形がなくなってしまうのです。
たとえば、バッドで窓ガラスを叩いたとします。
そうすると、粉々に砕け散ります。
この行為が「破壊」です。
「破壊」の使い方
壊すという意味で使用をします。
建物、器、組織、秩序などに対して使われる語です。
比較的大きなものや固いものなどに使われることが多いです。
衣服はあまり大きくはなく、柔らかいので、これをビリビリに破いて本来の形をなくすことは「破壊」とは一般的にはいいません。
「破断」とは?
金属などの材料が切れてしまうことです。
金属は硬く、壊れないだろうという印象を持っている人は少なくないことでしょう。
たとえば、ふだん買い物に使用している硬貨は金属でできており、容易に形は変わりません。
しかし、金属も形が変わることがあります。
外部から力が加わったり、経年劣化などによって形が変わることがあるのです。
ひびが入ったり、ある部分が細くなったりすると、金属などの材料が断ち切れることがあります。
この現象が「破断」です。
「破断」の使い方
建築や金属製品を扱う人の間で主に使用されます。
日常的には、あまり使用されません。
「破壊」と「破断」の違い
どちらの言葉にも、こわれる、こわす、という意味を持つ漢字である「破」が含まれており、同じような意味を持っています。
違いは、何が壊れるのかということです。
前者の言葉は、建物、器、組織、秩序など、壊れるものがさまざまです。
比較的大きなものや固いものを指す場合が多くあります。
後者の言葉は、金属などの材料が断ち切れて壊れることです。
「破壊」の例文
・『驚異的な破壊力』
・『家を破壊する』
・『街を破壊する』
・『人間が環境を破壊している』
「破断」の例文
・『破断の原因になる』
・『破断する可能性がある』
・『配管が破断してしまった』
・『一部が破断していることがわかった』
まとめ
どちらの言葉にも、こわす、こわれるという意味を持つ「破」という漢字が使用されており、似たような意味が含まれています。
しかし、何が壊れるのかという点に違いがあります。