「竣工日」と「引き渡し日」の違いとは?分かりやすく解釈

「竣工日」と「引き渡し日」の違い違い

建築工事の完了予定を意味する言葉として「竣工日」「引き渡し日」があります。

どちらも工事のスケジュールでは必ず使われる言葉ですが、このふたつはいったいどのように使い分けられているのでしょうか。

今回は、「竣工日」「引き渡し日」の違いについて解説します。

「竣工日」とは?

「竣工日」とは、「すべての建築作業が終了し建物が完成した年月日」を指す言葉です。

工事作業が完了し建築物が完成することを「竣工」といいます。

「竣工日」とは竣工した日、つまり「建築工事が終わって建物が完成した日」を表します。

建築工事のスケジュールにおいて予定されている「竣工日」とははすべての作業が終わる工事作業の最終日を指します。

「竣工日」を持って全ての作業員は作業を終了し現場を離れます。

「竣工日」には無事に工事作業が終了したことを神様に報告死感謝する「竣工式」という儀式が行われる風習があります。

「竣工日」はふつう年月ではなく年月日まで記録されます。

これは「竣工日」が建築物の建築年数を数える際の基準日となるからです。

実際の築年数は年月までで日数までは表記されませんが、細かく調べると「竣工日」を基準にして日数単位までさかのぼることが可能です。


「竣工日」の使い方

・竣工日を目前にしてトラブルが発生した。

・作業員は竣工日に間に合うように懸命に作業をこなしている。

・明日はビルの竣工日だ。

・竣工日には工事関係者が全員揃うことになっている。


「引き渡し日」とは?

「引き渡し日」とは、「完成した建築物が依頼主に引き渡される日」を指します。

建築物は完成してもすぐに依頼主に引き渡されるわけではありません。

建築物は完成後に検査を受ける義務があります。

工事が申請通りの手順で行われているか、法律や基準を満たしているか、工事に問題点はないかなど行政や関係機関の検査を受けてからでないと依頼主への引き渡しは認められません。

工事完了後の検査は施工現場の技術者が行う「自主検査」、建築会社の現場外の専門家が行う「社内検査」、建築基準法に基づいているかを確認するために地方自治体や関係機関が行う「完了検査」、依頼主の立ち会いのもとで最終確認を行う「竣工検査」に分けられます。

このような厳しい検査をすべてクリアした上で問題なしと判断されると建築物が依頼主に引き渡されます。

「引き渡し日」を持って法的な権利や責任などはすべて建築会社から依頼主に移ります。

「引き渡し日」の使い方

・マイホームの引渡し日を前に気が高ぶっている。

・引渡し日にはささやかな慰労会を開催する予定だ。

・引渡し日直前になって不具合が発覚した。

・来週の引渡し日に備えて有給を申請する。

「竣工日」と「引き渡し日」の違い

「竣工日」「引き渡し日」の違い「検査」です。

「竣工日」は設計予定通りに工事作業が完了した日を指します。

建物は完成していますが検査は完了しておらずそのまま建物を使用することは認められません。

「引き渡し日」は工事が終了し必要な検査が全て完了して依頼主に引き渡される日を指します。

必要な法的手続きは全て終わっているのでそのまま建物を利用することが認められます。

工事は終わっているが利用は認められないのが「竣工日」、法的に使えるようになっている建築を引き渡すのが「引き渡し日」です。

まとめ

「竣工日」「引き渡し日」は工事スケジュールには必ず登場する言葉ですが、普段使う機会の少ない言葉なので違いがわからないという人も少なくありません。

マイホーム購入など不動産関係ではとても重要な意味を持つ言葉なので必ず覚えておきましょう。

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