オリンピックやパラリンピックなどのスポーツの試合を見ていると、「競歩」と「強歩」という聞きなれない言葉が登場することがあります。
この記事では、「競歩」と「強歩」の違いを分かりやすく説明していきます。
スポーツの言葉を正しく知って、たのしく観戦してみてください。
「競歩」とは?
競歩とは陸上の言葉で、長い距離を歩いて競う競技のこと。
オリンピック種目の場合は、男子は最大で50キロにおよぶ長距離を歩きぬきます。
歩く種目なのでマラソンに比べて簡単なように見えますが、完走できずにバテてしまう選手も多く想像以上にハードな種目となります。
競歩には守らなければいけないルールもあります。
有名なものは、右足か左足かならずどちらかの片足が、地面に付いていなければいけないという規則です。
またたとえ地面に付いていても、踏み込んだ足が垂直になる前に曲がってしまうと反則となり、即座に失格となってしまうこともあります。
独特なルールがあるため、競歩がおこなわれるときには必ず審判員が付きます。
悪質だと判断される場合には、スタッフからサッカーのレッドカードのような物を出されて退場となることもあります。
「強歩」とは?
強歩とは、長い区間を最後まで歩きとおすこと。
長い場合は数十キロにおよぶ区間を、6~7時間かけて歩くこともあります。
おもに中学校や高校のイベントとして採用されているもので「強歩大会」や「強歩遠足」とも呼ばれています。
運動不足の解消や体力の向上のために、積極的に取り入れている学校が多くなっています。
全校マラソンを取りやめて、強歩大会をおこなっている高校もあります。
学校によっては個人単位ではなく、グループや班・クラス単位で一斉に歩くこともあります。
長い距離を励まし合いながら歩くことで、チームやクラスの団結力が高まると期待されています。
「競歩」と「強歩」の違い
「競歩」と「強歩」はとても似ている言葉のため、資料に間違って記載してしまうこともあります。
「競歩」と「強歩」の違いを、分かりやすく解説します。
内容はまったく異なるので、正しく知識を深めていきましょう。
・スポーツ種目か学校のイベントか
競歩はオリンピックの公式種目に採用されているくらい、とてもポピュラーな陸上競技のひとつです。
男子は最大50キロ、女子は最大20キロを歩きとおします。
また両足のどちらかが地面に付いていなければいけないなど、厳しい決まりもあります。
公式種目である競歩にくらべて、細かいルールが無いのが強歩になります。
強歩の「強い」という漢字には、筋力を高める・心を鍛えるという意味もふくまれています。
つまり体や心を鍛えるためにおこなわれるのが強歩。
心身を磨き上げるために、中学や高校のイベントとして積極的に採用されています。
まとめ
「競歩」と「強歩」の違いを分かりやすくお伝えしました。
競歩は長いトラックを歩いて完走する、スポーツの種目のこと。
対して強歩は遠足のように長い距離を歩きとおす、中学や高校のスポーツ行事です。
違いをおさえて、その場にあった言い回しをしていきましょう。