「素面名乗り」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「素面名乗り」とは?新語・ネット用語

特撮番組で用いられる「素面名乗り」とはどんな意味なのでしょうか。

今回は、「素面名乗り」の意味と類似表現について解説します。

「素面名乗り」とは?意味

「素面名乗り」とは、「特撮番組において変身前の役者が名乗りポーズを決めること」という意味の言葉です。


「素面名乗り」の概要

特撮番組では主人公達ヒーローが変身後にポーズを取りながら名乗る我の定番です。

個性的な決めポーズは子どもたちがこぞって真似するものですが、そのようなポーズを取りながら自らの名を名乗る一連の流れのことを「名乗り」と呼びます。

特撮番組の名乗りは変身後に行われるのが一般的なので実際には変身前を演じる役者ではなくスーツを着て変身後を演じるスーツアクターが名乗りポーズを決めています。

このような変身後に行われる「名乗り」とは別に、変身前の役者が素顔のままでポーズを決め名乗ることを「素面名乗り」と呼びます。

「素面名乗り」「素面」とは「マスクをつけていない状態」つまり「素顔」と同じ意味で、特撮においては変身後ではなく変身前の状態を意味します。

「素面名乗り」は通常とは異なる特別な「名乗り」です。

基本的には最終回もしくは最終回付近の特別な演出として恒例化しています。

素顔の役者が名乗りポーズを取ることそのものは特撮の初期から見られた演出ですが、特に「素面名乗り」として注目されるようになったのはスーパー戦隊シリーズの第17作「五星戦隊ダインレンジャー」体とされています。

中国拳法をモチーフに取り入れたダイレンジャーは戦隊シリーズの歴史の中でも最も名乗りポーズが難しいことで知られています。

最終エピソードでは転身する力を失ったダイレンジャーが生身で「名乗り」を決めるシーンが登場するのですが、非常に難易度の高い名乗りポーズを見事に決めたことがきっかけで「素面名乗り」が大きく注目されるようになりました。

ダイレンジャー以降の戦隊シリーズでは最終回の「素面名乗り」が定番化します。

視聴者にとっても特別感のある演出ですが、一年間頑張ってきた役者陣にとっても「素面名乗り」は大切な思い出づくりになっているそうです。


「素面名乗り」の言葉の使い方や使われ方

・『大ピンチからの素面名乗りは熱い演出だ』
・『キョウリュウジャーのアクションからの流れで行われる素面名乗りは斬新な演出だった』
・『ゴーオンジャーの素面名乗りからメットオンへの流れはとても美しい』
・『素面名乗りの表情に役者としての一年間の成長を感じさせられる』

「素面名乗り」の類語や言いかえ

・マスクオフ
「特撮番組において体だけスーツを着用し顔は素顔である状態」を指す言葉です。

「素面名乗り」は変身前の服装で行われる場合の他に体だけスーツに変身した「マスクオフ」で行われる場合の2パターンがあります。

能力の制限など劇中で「素面名乗り」を行う理由付けがされていることもありますが、特に理由なく変身前やマスクオフ状態で名乗ることもあります。

・特殊名乗り
「通常時とは異なる特殊な演出が行われる名乗り」を指す言葉です。

「名乗り」は同じ映像を使いまわす「バンクフィフィルム」が使われることも多いのですが「特殊名乗り」はバンクを使わずわざわざ新規撮影される特別演出です。

背景が変わったり音楽が異なっていたりなど通常時とは異なる箇所があれば「特殊名乗り」に含まれるので「素面名乗り」「特殊名乗り」の一種です。

まとめ

特撮には独特の専門用語がたくさんありますが「素面名乗り」もそのひとつです。

他では使われない特殊な言葉なのでこの機会に知っておきましょう。