この記事では、「観察」と「監察」の違いを分かりやすく説明していきます。
「観察」とは?
「観察」とは、物事の状態や変化などを、主観を離れて気を配ってみることです。
飼い犬を「観察」することで考えてみます。
犬にエサを与えました。
勢いよくガツガツと食べています。
この状態を観察して表現すると「60gのドッグフードを3分で食べた」などとなります。
この表現には主観的なものが含まれていません。
主観的なものを交えて表現すると「与えたドッグフードをおいしそうにあっという間に食べてしまった。
とても喜んでいるようだ」などとなります。
「おいしそう」「喜んでいるようだ」などは主観的なものです。
こういった主観を交えずに物事のようすを注意して見ることを「観察」といいます。
「観察」の使い方
物事の状態や変化を主観を離れて注意深く見るという意味で使用をします。
「人間観察」「あさがおの観察」など、日常の中で使われたり、「野生動物の観察」など研究目的で行われる行為を指して使われたりすることもあります。
「監察」とは?
「監察」とは、取り締まったり、調べたりすることです。
規定に反することが行われていないか監視をしたり、調べたりすることを意味しています。
「監察」は、不正が行われていたなど疑いがある場合に行われるものです。
疑いのある部分は、不確かな部分であるということができます。
その部分をはっきりさせるために、いろいろな方法で確かめることを、この言葉は意味しています。
物事をじっくりと見るという意味ではありません。
「監察」の使い方
法律で定められていることに反していると疑われる場合に、取り締まったり、調べたりする行為を指して使用します。
家にあるお茶碗を誰が割ったのか調べる、などのことではありません。
日本の場合は「監察課」というものがあり、そこの職員が主にこの行為を行っています。
「観察」と「監察」の違い
読みは「かんさつ」で同じですが、意味は異なります。
前者の言葉は、客観的に注意深く見ることです。
物事がどういった状態なのか、どう変化するのかなどを、主観を離れて気をつけてみることを意味しています。
後者の言葉は、取り締まったり、調べたりすることです。
取り締まるには、監視という意味がありますが、監視は「観察」することではなく、見張るという意味がある言葉です。
「監察」は、状態や変化を気を配ってみることではないのです。
「観察」の例文
・『犬が食事をする様子を観察する』
・『セミが羽化する様子を観察する』
・『観察したことをノートにまとめる』
・『行動を観察するのが面白い』
「監察」の例文
・『監察する部署に勤めています』
・『監察が行われている』
・『監察が妨害された』
・『これから監察を行うところです』
まとめ
「かんさつ」と読みが同じ言葉ですが、意味は異なります。
一方は主観的に注意深くみること、もう一方や監視をしたり、調べたりすることです。