この記事では、「貧すれば鈍する」の意味を分かりやすく説明していきます。
「貧すれば鈍する」とは?意味
これは、貧するようになると、鈍するようになってしまうという意味です。
まず、貧するとは貧乏な状況を表します。
また、鈍するは鈍感になって鈍感になってしまう様を表しています。
つまり、貧乏になってしまうとお金やその日の暮らしを心配するあまり、様々なことに鈍感になり下がってしまうということ。
心が貧しくなってしまう残念な状況を表しています。
あまり良い意味としては使いません。
「貧すれば鈍する」の概要
貧乏になってしまうと、それまでのように心のゆとりを失ってしまうことが問題です。
ゆとりがなければ、周囲に心配りができなくなるので、人付き合いを始めとする労わりや気遣いがおろそかになってしまいます。
それまでは人格者であり、周囲からも一目置かれる存在であったとしても、貧することで人格まで変わってしまうことも。
そのような状況が誠に残念で仕方がないという様子を表す言葉です。
これは誰にとっても起こり得ることでしょう。
ある日、会社が倒産してしまう。
それまでは好きなものを好きなだけ食べていて、栄養摂取にも気を遣うことができました。
ところが、収入が途絶えてしまった場合は、お腹を満たすだけで精一杯です。
栄養バランスや見た目なんて気にしていられません。
今日の食事はどうしようか。
どうやって節約しようか。
そればかりが気になり、食事を楽しむことなんて二の次。
頭の中はお金のことでいっぱいになり、良策は一切浮かんでこない。
ましてや、他人のことなんてとても構ってはいられない。
貧すれば鈍することは悲しくもあり、とても残念なことです。
「貧すれば鈍する」の言葉の使い方や使われ方
「貧すれば鈍する」を用いた例文をご紹介します。
『彼の場合、貧すれば鈍するの典型で、これまでのようには付き合えそうもない』
『あまりにもあさましく、貧すれば鈍するとはこのことだ』
『貧すれば鈍するとは言うけれど、ここまであからさまに変わるなんて残念極まりない』
「貧すれば鈍する」の類語や言いかえ
「貧すれば鈍する」へ言いかえられる言葉をご紹介します。
「馬痩せて毛流し」「窮すれば鈍する」「人貧しければ智短し」などが挙げられます。
いずれもお金が無くなると、頭の中はお金のことでいっぱいになってしまい、回転が遅くなってしまうという意味です。
まとめ
余るほどのお金がなくても、心のゆとりは保っている人には本当の貧しさ、辛さは理解できません。
そのため、貧しくなってしまった人に対して「貧すれば鈍するとはこのことだ」というような言葉を投げ掛けてしまいます。
しかしながら、明日のことさえどうなるのか分からない状態ならば、鈍するのは当たり前ではないでしょうか。
鈍するしかない人に「貧すれば鈍する」という言葉は非常に酷です。
つまり、陰口として用いられる言葉であり、「もう少し頑張れ」と励ますために用いる言葉ではありません。