この記事では、慣用句の「身につまされる」の意味を分かりやすく説明していきます。
「身につまされる」とは?意味
「身につまされる」とは、「他人の不幸が、自分のことのように辛く思われる」ことを意味する言葉です。
「身につまされる」の概要
「身につまされる」の慣用句に使われている「つまされる」は、「強く心を動かされる」や「自分の身にひきくらべて、同情や哀切の気持ちが起こる」ことを指す言葉です。
この「つまされる」の言葉は、「身につまされる」の慣用句以外では、余り使われることのない言葉と言えます。
「つまされる」の語源としては、「爪を立てられる」や「つねられる」から来ている言葉で、漢字表記では「爪される」と表記できるという説があります。
この説では、「爪される」ことから、転じて「痛みや辛さを感じる」意味を持つ言葉となったという事になります。
またこの他に、語源は不明だが、単に「心を動かされる」意味の言葉で、「爪される」と表記できるような語源ではないとする説もあります。
「つまされる」の言葉の意味が、語源を含めて何となく不確かなこともあり、なぜ慣用句が「身をつまされる」ではなく、「身につまされる」なのかも説明が難しと言えます。
しかし、「身をつまされる」は誤りです。
「自分の身に、他人事とは思えない辛さや悲しみを背負わされる」意味だと解釈すれば、やはり「身につまされる」が正しい表現だと言えます。
このように考えれば、少なくとも、迷うことは無くなるでしょう。
この「身につまされる」の慣用句は、「他人の不幸が、自分のことのように辛く思われる」と言う意味である事から、他人の不幸な出来事や失敗に共感する場合に使われます。
ただし、不幸や失敗を行った人がその痛みを長く引きずっていても、「身につまされる」と感じた人にとっては、一過性の感情である事が一般的だと言えます。
具体的なこの慣用句の使い方については、次項に記載します。
「身につまされる」の言葉の使い方や使われ方
「身につまされる」の慣用句は、以下の例のようにに使われます。
・『女手一つで子供を育てる大変さを聞くと、身につまされる思いがします』
・『外国で起きている内戦の悲惨な状況を見聞きすると、やはり身につまされます』
・『信号無視の車に子供がはねられ、多くの死傷者が出たというニュースを聞くと、身につまされる思いがします』
・『ネグレクトや虐待により、かけがえのない子供の命が奪われるニュースを見聞きすると、涙するほど身につまされます』
「身につまされる」の類語や言い換え
「つまされる」の言葉が、「身につまされる」の慣用句以外では余り使われない言葉であり、ピタッとくる類語や言い換えは見当たりません。
強いて言えば、「人情に引かれて、自分からそうしようと思ってしまうこと」を意味する「ほだされる」が比較的、近い言葉と言えます。
まとめ
「身につまされる」とは、「他人の不幸が、自分のことのように辛く思われる」ことを意味する慣用句です。
「身につまされる」を「身をつまされる」と表現する人がおられますが、これは誤りです。
間違わぬように、「て・に・を・は」は正しく覚えるよう注意が必要です。