「追求」と「追究」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「追求」と「追究」の違い違い

物事を求める際の態度や行為を示す言葉には色々なものがあります。

特に同音異義語である「追求」「追究」は非常に似ていることもあり間違える人も多い言葉なのです。

この記事では、「追求」「追究」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「追求」と「追究」の違い

「追求」とは何かを追い求めるという行為を示すものであり、これを熟語にしたものが「追求」となります。

対して「追究」は追う対象が研究や究極など、知識的なものや心理などを追い求める行為を表します。

「追求」は追い求めるものが個人の幸福や会社の利益などから、具体的な物質に対してまで使われるのですが、「追究」は主に学問分野など概念的なものを追い求める時に使われる点が違いとなります。


「追求」と「追究」の使い方の違い

「追求」は単純に目的や対象を手に入れるために必死になる行為を表すものであり、それは現世的な利益や幸福が対象となることが多いのが特徴です。

金銭的なものを「追求」することにも使えるので、色々な場面で使うことが可能です。

対して「追究」は研究や学術的な分野や、美術、真理、哲学など概念的なものを追い求める行為を示すのですが、こちらも研究熱心な人は必死に追いすがることもしばしばあります。

「追究」によって色々な研究が成された結果、色々な文化が花開いたり発展するなどもあり、精神的な活動を示すものとも言えます。


「追求」と「追究」の英語表記の違い

「追求」は英語で“pursuit”と表記します。

「追究」も同様に対象を追うという動詞である“pursuit”が使われますが、学問的な研究などを対象にする際には“investigation”“study”“research”が使用されます。

「追求」の意味

「追求」は主に何かの目的を達成するために必死に追い求めることを表します。

その対象は主に幸福や利益、理想など概念的なものを示すことが多いのですが、利益などは現実的な目標となっていることも多く、概念的なものから具体的なものまで幅広く使うことが可能です。

「追求」するという行為は必死に追いすがる姿や、どこまでも追い求めてやるという確固たる意志の元に行われることが多く、個人単位だけではなく集団単位で様々な目的を追いすがる時にも「追求」は使われます。

「追求」の使い方

「追求」は主に概念的な目標や理念を追い求める時に使われます。

幸福や理想などは概念的なものやスローガンのような存在ですが、利益となると具体的な金銭目標や販売実績などになるので、色々な対象に使うことが可能です。

これらの対象は基本的に自分や社会をより良くするものや、改善するものとして見なされるのが通例です。

「追求」を使った例文

・『宇宙飛行士になるという夢を追及した彼は、ついに念願かなって宇宙飛行士になることが決まったのだ』
・『お客様満足度を追求するのは非常に難しいものだが、最近はAI分析やアナリティクスを使うことで有効なデータを使うことが可能だ』
・『幸福追求権は誰にも適応されるべきであり、彼にも当てはまるべきでしょう』
・『権力闘争に疲れた議員は、そこから離れて現在では地方で老後の幸福を追求している』

「追求」の類語

「追求」の類語には色々なものがあります。

漢字としてはあまり使われませんが、同じような意味としては「逐う(おう)」という言葉があります。

また同様の行為としては「追い求める」「追い掛ける」「追っかける」という言葉も使われます。

より具体的な対象を示すものとしては「調査」「査定」「詮議」「探求」「探査」などがあります。

「追求」の対義語

「追求」は追い求める行為を表すものであり、この反対の対義語はそれを諦めてしまう意味の言葉になります。

例えば「妥協」「断念」など途中で諦めてしまうことや、理想に対して現実的な選択肢をなくなく取る時にもこれらの言葉が使われます。

「追究」の意味

「追究」は主に学術的な分野に対してこれを求める時に使われる言葉となっています。

「究」という漢字はより奥深いものへと入ることや、極めることを示すことから、真理や学問的な対象を追い求める言葉なのです。

これらの学術的な対象や真理などは、未知のものであることも多く不明なものを明らかにするという意志の元で「追究」は行われることがほとんどです。

学術的な分野では研究などによってこれらの不明点や問題点を明らかにします。

「追究」の対象は真理や学問的な概念的なものが多く、それは美術や哲学など幅広いジャンルに及びます。

「追究」の使い方

「追究」は主に学術的な分野や真理など未知の分野を解き明かす時に使われます。

真理的なものを「追究」する研究者はそれ自体に没頭することが多く、それがもたらす文化の貢献や発展などには無関心な人もまれにいます。

「追究」を使った例文

・『真理の追究を目指してした学者は、段々と妄信的になり手段を問わなくなってしまった』
・『宇宙分野の学問を追求することは非常に困難であるが、未知のフロンティアが広がっており魅力的でもある』
・『未曾有の震災に対してその原因を追求するため、特殊研究チームが招集された』
・『美の追究するのは一見難しく思えるが、実際には個人一人でも可能なのです』

「追究」の類語

「追究」は追い求める対象が未知のものや学術的なものであることが多く、類義語も同じような共通点を持っています。

「研究」「研鑽」「詮索」「吟味」「調査」「検査」など学術的な分野の言葉が多いのが特徴です。

「追究」の対義語

「追究」「追求」同様に目標を追い求める行為を表すものであり、対義語はそれを諦める言葉になります。

「断念」「妥協」など諦めることや中途半端になってしまう意味の言葉が対義語として使われます。

まとめ

このように「追求」「追究」は目標に対して必死に追い求める行為を表すものですが、その目標がそれぞれ違うので使い分けることが可能です。

また同音異義語としては「追及」というものがありますが、こちらは人や責任などを追い求める場合に使います。

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