この記事では、三字熟語の「野暮天」の意味を分かりやすく説明していきます。
「野暮天」とは?意味
「野暮天」の読みは「やぼてん」で、「世情に通じず、人情の機微が分からないことや、洗練されていないことが、この上もない状態やそうした人」を意味する言葉です。
「野暮天」の概要
「野暮天」は「野暮」と「天」の二つの言葉で構成された三字熟語です。
「野暮」は「世情に通じず、人情の機微が分からないことや、洗練されていないこと」を意味します。
この「野暮」と言う言葉は、元々は遊郭などの事情に疎いことを指して使われていましたが、それが転じて先のような意味となったものです。
「野暮」の語源としては、田舎者を意味する「野夫」から来ているとする説と、雅楽の楽器である「笙(しょう)」にある「也(や)」と「毛(もう)」という二本の管は音が出ないことから、役に立たないことを「やもう」と称していたのが、「やも」に変化し、さらに「やぼ」に変化したと言う説があります。
この二説が有力と言われていますが、どちらが正しいかは定かではありません。
また「天」には色々な意味がありますが、「野暮天」の「天」は仏像の種類から来ている言葉だとされています。
仏像には悟りの境地への進化の度合いに応じて、「如来」「菩薩」「明王」「天」の4つの分類されています。
「天」はこの中では最も位が低く、「如来」や「菩薩」と行動を共にし、守護する役割を担っている仏さまです。
しかし、この位の低い仏さまの「天」であっても、人間と比べると非常に強くて偉い存在です。
このことから、「野暮」に「天」を付けることで、「野暮な人」を仏像の「天」になぞらえ、「野暮の程度がひどい人」と強調する形で使われているのです。
従って、「野暮天」は「野暮」とほぼ同じ意味で、少しそれを強調し、かつ語呂を良くした言葉と言えるでしょう。
「野暮天」の言葉の使い方や使われ方
「野暮天」の言葉は、以下の例文のように使われます。
・『彼は洋服に興味もなく無頓着で、その姿は野暮天そのものです』
・『田舎者で野暮天だと思われていた彼女も、2年間の都会暮らしで、すっかり垢抜けしました』
・『これから映画を見ようとする私に、結末を教えるなんて、彼はやっぱり野暮天だ』
・『男女の恋愛関係にコメントするのは野暮天ですが、彼と付き合うのはやはり止めた方が良い』
・『彼は野暮天だと罵られているのに、意味が分からず、キョトンとした表情をしています』
「野暮天」の類語や言いかえ
「野暮天」の類語としては、「野暮」や「無粋」や「粗野」や「ぼんくら」や「まぬけ」などを挙げることが出来ます。
まとめ
「野暮天」とは「世情に通じず、人情の機微が分からないことや、洗練されていないことが、この上もない状態やそうした人」を意味する言葉です。
「野暮天」は「野暮」に「天」付けることで仏さまになぞらえ、「野暮」の程度がひどいと人であることを強調した言葉です。