「隧道」と「トンネル」の違いとは?分かりやすく解釈

「隧道」と「トンネル」の違い違い

この記事では、「隧道」「トンネル」の違いを分かりやすく説明していきます。

「隧道」とは?

隧道という言葉は1970年以前に用いられ、戦後になって常用漢字を使わなくなる流れになりいつの間にか使われなくなっています。

しかし、50年以上前に完成したトンネルは漢字で「隧道」と表記され、入口や出口の上の部分に見えやすく刻まれていました。

1970年以降は常用漢字を使わないことになり、隧道の代わりにトンネルと表記が変わっています。

このため、トンネルは隧道がただ単に表記が変更されたものになり、実際には同じものを指しています。

近年では「隧道マニア」という言葉も生まれ、古いトンネルを漢字表記することで昔の構造だとアピールして雰囲気を出していることが特徴です。

現在では国道などの主要道路は交通量が多く走りやすくなるように改良され、使われなくなった旧道にあるトンネルのことを隧道と読んでいるマニアが増えています。


「トンネル」とは?

トンネルは隧道を英語に訳した言葉になりますが、由来はフランス語で樽を表すトンネです。

中世の英語でもトンネルは樽の意味で使われていましたが、煙突やパイプなどを表すようになりました。

その後は地下に掘った通路を指すようになり、18世紀になってから現在のように山腹や海底などの地下を掘りぬいた人工的な通路を示す言葉になっています。


「隧道」と「トンネル」の違い

「隧道」「トンネル」と指すものは同じものになり、山腹や海底などの地下を掘りぬいた人工的な通路です。

違いはあくまでも呼び方になり、日本において常用漢字が使われなくなったことで「隧道」「隧」が使用されなくなったためです。

このため、古い時代からある山腹や海底などの地下を掘りぬいた通路は隧道と呼ばれ、1970年以降に完成した場合はトンネルと表記しています。

しかし、道路の改良などで新しく掘った場合はトンネルと表記され、カーブが緩くサイズが大きく安全に通りやすいです。

逆に隧道は古くから開通し、名前がそのまま残っているため建造物が古いです。

このため、隧道は崩落する危険性が高く、入れないように塞がれることもあります。

「隧道」の例文

・『横須賀には浦郷隧道や梅田隧道、筒井隧道があり、独特の雰囲気があります』

・『神戸市にある湊川隧道は明治34年に竣工し、日本初の河川トンネルとしても有名です』

「トンネル」の例文

・『山陽新幹線の新関門トンネルは関門海峡の下を通り、本州と九州を結んでいます』

・『青函トンネルは津軽海峡の海底にあり、日本最長で道路がなく鉄道専用で本州と北海道をつないでいます』

まとめ

「隧道」「トンネル」は山腹や海底などの地下を掘りぬいた人工的な通路を指しますが、完成した時期によって表記が異なります。

「隧道」は古い建造物ですが、「トンネル」は新しくて安心して通れます。

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