この記事では、「離反」と「謀反」の違いを分かりやすく説明していきます。
「離反」とは?
従っていたものや属していたものなどが、ある人やところから離れていくことです。
人から離れることや、組織から離れることをいい、物質から離れることではありません。
ある組織に所属していた人たちがいたとします。
この人たちは、これまで組織の長に従っていました。
長のいうことを聞いて働いていたのです。
しかし、あるとき長のいうことを聞かなくなってしまいました。
従わなくなったのです。
そして、この組織に所属することをやめました。
言い換えると組織から離れたのです。
このことは「組織から離反する」ということができます。
「離反」は物質から離れることではありません。
これまでタバコを吸っていたけれど、やめようと考えて、努力をして喫煙に成功しました。
これは、タバコという物質から離れることができたということができます。
しかし、これを「離反」とはいいません。
「離反」の使い方
従ったり、属していたりしたものが、離れることを指して使用します。
個人から離れることにも、組織など大きなものから離れることにも使用できます。
「謀反」とは?
「謀反」には2つの意味があります。
一つは、政治を行うものに逆らうこと。
国や君主など反対・反抗をして兵をあげることです。
戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・大名に荒木村重という人がいます。
村重は織田信長に従っていたのですが、あるとき信長に背いて兵をあげました。
これに端を発する戦いが「有岡城の戦い」です。
村重は「謀反」を起こしています。
もう一つの意味は、人に知られないように計画をして事を起こすことです。
よい行いをすることではなく、悪い行いをすることをいいます。
たとえば、誕生日会を開くことを本人に知らせずに、突然に誕生日会を開いたとします。
誕生日を迎える本人に知られないように計画を立てていて、そして当日に行動を起こしたのです。
誕生日を祝うことは一般的には悪いこととはいわれていないので、ひそかに計画をして事を起こしていますが、「謀反」とはいいません。
「謀反」の使い方
国家や君主などに背くという意味で使用をします。
国民が団結して背くなど、多くの人が集まって騒動を起こすことにはあまり使用せず、個人や少人数が行うものを指して使用することが一般的です。
「離反」と「謀反」の違い
どちらの言葉にも、そむく、さからうという意味を持つ漢字である「反」が使用されており、似たような意味を持っていますが、同じことではありません。
前者は、従っていたものが離れることです。
後者は、体制や支配者に反抗・反対することです。
「離反」の例文
・『このことが離反につながったのだろう』
・『離反を恐れている』
「謀反」の例文
・『謀反を起こした』
・『謀反を指導した』
まとめ
背くという意味合いを持つ2つの言葉ですが、何に背くのかという点に違いがあります。