魅了するに近い表現は、いくつかあります。
この記事では、「魅惑」と「蠱惑」の違いを分かりやすく説明していきます。
色々な言い方を知って、教養を深めていきましょう。
「魅惑」とは?
魅惑(みわく)とは、心が大きく揺さぶられること。
はげしい恋に落ちたように、理性を失ってしまう様子です。
美しいもの芸術的なものを、見たり聞いたりした時に用います。
魅惑は「魅」と「惑わす」が組み合わさった熟語です。
あまり知られていないですが「魅」は訓読みすると「もののけ」と読めます。
鬼の部首が付いていることからも、どこか人間離れした魅力に引き寄せられることを「魅惑」と呼んでいます。
何がいいのか言葉で伝えるのは難しいけれども、つい見入ってしまうのが「魅惑」です。
具体的な使い方としては「美しいバイオリンの音色に魅惑された」や「彼女は魅惑的な態度で迫ってきた」そして「魅惑のひとときを味わった」などがあります。
思わず好意を抱いてしまうような、艶のある物にもちいます。
「蠱惑」とは?
蠱惑(こわく)とは、妖艶な魅力でまどわすこと。
色っぽい言葉や表情で、相手の心を引き寄せることです。
あの手この手を使って、異性をだます時に用いる表現です。
蠱惑は「蠱」と「惑わす」がセットになった言葉です。
書くのがとても難しい「蠱」は訓読みで「まじない」とも読めます。
虫という漢字が3つも入っている、とても珍しい漢字です。
蠱には「呪い・毒薬」という意味もあります。
つまり魔女がおまじないをかけるように、相手の心をいとも簡単に操ってしまうのが「蠱惑」。
たぶらかすという訳もあるので、小悪魔的な色っぽさを表現するときに用います。
使い方としては「彼女は蠱惑的なまなざしで僕を見つめた」や「少女から大人の女性に、蠱惑的な変身をとげた」などがあります。
蠱惑は「蠱惑的」と的の文字をつかって、その世界観をあらわすことが多いです。
「魅惑」と「蠱惑」の違い
どちらも「惑わす」の文字が付いているので、間違えやすいです。
「魅惑」と「蠱惑」の違いを、分かりやすく解説します。
・女性の色っぽさは「蠱惑」
「魅惑」と「蠱惑」は、どちらも心を揺り動かされるときに用いる表現です。
「魅惑」は魅惑のショコラ・魅惑のフルートなど、スイーツや音楽でも用います。
対して「蠱惑」は蠱惑的なグラビア・蠱惑的な写真集など、女性の官能美をあらわすときに使います。
優雅で上品な魅力は「魅惑」。
ヌーディでセクシーな魅力は「蠱惑」です。
まとめ
「魅惑」と「蠱惑」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「惑」という語が付いている通り、どちらも人の心を引き寄せて魅了するという意味があります。
「魅惑」はショコラやオーケストラなど、食べ物や音楽にも用いられる表現。
それに対する「蠱惑」はセクシーな女性の美しさを表現するときに用います。
あざむく・たぶらかすなど、小悪魔的なニュアンスもある言葉です。
似ているものの語句には大きな差があるので、きちんと覚えておきましょう。