「怒る」と「叱る」の違いとは?分かりやすく解釈

「怒る」と「叱る」の違い違い

この記事では、「怒る」と「叱る」の違いを分かりやすく説明していきます。

「怒る」とは?

「怒る」【おこる】とは「怒り」【いかり】の感情を表すこと、腹を立てることです。

「怒る」とは、腹を立てること、不快なことがあって気分を害した時にその感情をあらわにする様子を指します。

「怒り」は、主に不当な扱いをされた時や自分の思い通りにならない時、苦痛を与えられた時などに生じる、誰にでも起こり得る感情です。

漢字の「怒」は、労働を課せられている女性を意味する「奴」と湧き上がる感情や緊張感を表す「心」で構成されています。

その成り立ちを見ても、「怒」は不当な扱いを受ける者のいきどおりを表していることがわかります。

「怒る」の語源とされる「起こる」や類語の「腹が立つ」「カッとなる」は、「怒り」を感じた時に生じる心身の緊張感を表しています。

また「怒る」は【いかる】とも読め、その際は張る、角張るといった物理的な変化を表します。


「怒る」の例文

・『彼に約束を破られたので怒っている』
・『怒った客が店内で暴れ始めた』
・『その服は肩が怒って見えるね』


「叱る」とは?

「叱る」【しかる】とは、相手の間違いを正すため、通常よりも強い口調で注意や指摘をすることです。

漢字の「叱」は、口(くちへんと七【しち】で構成されています。

七は切ることも表しており、「叱」は口から出る言葉によって相手を切るように攻めている様子を表します。

「叱」の成り立ちに見られるように、「叱る」は通常の口調で注意するのではなく、大きな声や強い口調を伴って伝えているところが特徴です。

類語には「非をとがめる」「怒る」などがあり、相手を攻めるような物言いになりやすいため、受けた側は時に委縮してしまうこともあります。

しかし「叱る」のは相手の間違いを正したいからであり、相手を責めることが目的ではありません。

間違いを正す必要性が高いゆえ、分からせるために口調が厳しくなってしまうのです。

「叱る」の例文

・『いたずらをした男の子が母親に叱られている』
・『部下をガミガミ??りつける上司』
・『今日は先生に叱られたので落ち込んでいるんだ』

「怒る」と「叱る」の違い

「怒る」と「叱る」の違いを、分かりやすく解説します。

ひとことで言うと「怒る」は腹を立てること、「叱る」は強い口調で指摘することです。

「叱る」ことを「怒る」と言うケースが散見されますが、「怒る」は感情であり「叱る」は感情に関係なく注意や指摘をすることなので、定義は異なります。

両者が混同されるのは、人が「叱る」時には感情的になって怒ってしまうことが多いためです。

「叱る」ことは相手の間違いを正すことにあり、怒りの感情をぶつけて相手を委縮させることは逆効果とされています。

「叱る」際は強い口調を伴いますが、決して怒らず冷静な態度で言葉を伝えることが大切です。

まとめ

「怒る」「叱る」はよく似ていますが、漢字の成り立ち、言葉の定義を比べてみても、両者には違いのあることがわかります。

「叱る」つもりが「怒る」に変わることもありますが、他人を指摘する際はおだやかに「叱る」かたちを取りたいものです。

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