「不本意ながら」と「残念ながら」はどちらも状況が芳しくないときに使われる言葉ですがどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「不本意ながら」と「残念ながら」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不本意ながら」とは?
「不本意ながら」とは、自ら望んだわけではないが、不本意ではあるが、と言った意味を持つ言い回しです。
本来の意志とは異なる言動をとったということを表現する際に用いられます。
「不本意」は、自分の本当の望みとは違っていることを意味します。
「ながら」は、「乍ら」とも表記され、内容の矛盾する二つの事柄をつなぐ意味を表します。
「~ながら」と言った場合、~にもかかわらず・~ではあるがという意味になります。
「本意」は、本当の気持ち、元からの考えを表す言葉です。
つまり、「不本意ながら」は、本来の意志ではないが、不本意にもかかわらずという意味になります。
「不本意ながら」を英語にすると“begrudgingly”になります。
「不本意ながら」の使い方
「不本意ながら~する」という形で使われます。
自分ではそうしたくないが、そうせざるを得ない状況で用いります。
「不本意ながら辞退させていただきます」と言った場合には、本当は辞退したくないが、今回は辞退せざるを得ないという意味になります。
参加できないことへの無念や相手への気遣いを表すことができる表現です。
「不本意ながら」は、ビジネスの場面でもたびたび使われる言葉ですが、使い方を間違えると失礼な表現になってしまうため注意して使うようにしましょう。
「残念ながら」とは?
「残念ながら」とは、事の展開や結果を伝える際、相手が嫌がることを見越して思いやる意味を込めて投げかける表現です。
「残念」は、物足りなく感じること、あきらめきれないこと、悔しく思うこと、無念という意味を持ちます。
「ながら」については、「不本意ながら」と同じです。
「残念ながら」という場合、その後にくる内容は聞き手にとって「残念」なものになります。
「残念ながら」をあらわす英語の表現は、“unfortunately”です。
「残念ながら」の使い方
相手にとってよくない内容を告げる前置きとして、「残念ながら」と言います。
「不本意ながら」と同様に相手への申し訳なさを表すこともできます。
ただし、ビジネスの場面では「残念ながら」を使うと失礼に当たることが多いため、避けるのが無難であるとされています。
「不本意ながら」と「残念ながら」の違い
「不本意ながら」は、話し手にとって「不本意」であることを表しますが、「残念ながら」は、聞き手にとって「残念」であることを表すと考えられています。
そのため、「不本意ながら」と言う場合でもその内容が相手にとって悪いものとは限りません。
また、「残念ながら」と言う場合でもその内容が話し手にとって悪いものとは限りません。
まとめ
「不本意ながら」の「不本意」は自分の気持ち、「残念ながら」の「残念」は相手の気持ちを表します。