この記事では、「こっそり」と「ひっそり」の違いを分かりやすく説明していきます。
「こっそり」とは?
他の人に気づかれたり、わかったりしないように、物事を行うことです。
人の目の前で何かをすると、他の人はそのことを目にしてしまいます。
これは「こっそり」ではありません。
「自宅から出てはいけません」と言われてしまった人のことで考えてみます。
この人をAさんとします。
「自宅から出てはいけない」といわれているので、Aさんの家族は玄関を見張っています。
そのため、玄関から堂々と出ていくことはできません。
Aさんの部屋は1階で窓があります。
その窓は見張られていません。
そこで、Aさんは窓から外に出ることにしました。
がたがた音を立てては見つかってしまうので、静かに行動をします。
気づかれないように気をつけているのです。
このような行動のことを意味している言葉です。
「こっそり」の使い方
何かをするときの様子を指して使用をします。
がちゃがちゃと物事をすると、周囲の人に知られてしまいます。
このようなさまではなく、静かに気づかれないように物事をするさまを表して用いる語です。
「ひっそり」とは?
「ひっそり」には2つの意味があります。
1つめは、物音や人声がしないさまです。
都会では、車の音、話し声、電車の音など、さまざまな音がしています。
この言葉は、このようなさまを表しているのではありません。
一面田んぼが広がるような場所では、車の音も人の声もまったくといっていいほどしません。
このような静かなさまを意味しています。
もう一つは、目につくような動きがなく、人目につかないさまです。
マキノスミレというスミレ科の植物があります。
この植物の高さは5~10cmほどです。
道のすみに咲いていても、あまり目立ちません。
人知れず咲いているのです。
このような様子を意味しています。
この場合は「ひっそりと咲いている」となります。
「ひっそり」の使い方
目立たないという意味で使用をします。
静けさについてや、様子についてをいいます。
「こっそり」と「ひっそり」の違い
目立たないという意味が似ていますが、やや意味合いが異なります。
「こっそり」は動きが目立たないことです。
一方「ひっそり」は動いていないものについてもいいます。
たとえば、「植物がひっそりと咲いている」などです。
また、「ひっそり」には静かという意味もあります。
「こっそり」の例文
・『こっそりとお菓子を食べる』
・『こっそりと写真をとる』
・『こっそりと手元を確認する』
・『友人がこっそりと自宅にやって来た』
「ひっそり」の例文
・『ひっそりとした住宅街』
・『ひっそりとした夜の街を歩く』
・『その家はひっそりと佇んでいた』
・『ひっそりと咲く花』
まとめ
目立たないという意味が似ています。
しかし、やや意味合いが異なり、一方は動作について、もう一方は様子についてを意味しています。