この記事では、「想定」と「推定」の違いを分かりやすく説明していきます。
「想定」とは?
「想い定める」と書いて、「想定」。
そんな、「想定」には、頭の中である条件や状況を仮に設定したうえで、その結果がどのようなものになるのか考えている状況を意味します。
「想定」の場合、何も考えずに行動することはありません。
まずは、自分の頭の中で、こうすれば、どうなるか。
など考えたうえで行動することになります。
言い換えれば、「シミュレーションと同じです。
「想定」の使い方
自分が考えていた範囲の結果だったということを意味する「想定内」。
その反対の意味となる「想定外」。
このほか、「想定の範囲内」、「想定の範囲外」、「想定上の」、「想定を上回る」、「想定を下回る」などがあります。
「推定」とは?
「推測し定める」と書いて、「推定」。
そんな「推定」には、すでにわかっている事実をもとにおしはかって決めることといった意味があります。
そのため、1つでも明らかになっている事実がなければ「推定」することはできません。
その事実がなければ、考えることができないことを「推定」というのです。
このような意味から、「推定」の場合、おおむね間違いない。
といった意味として用いられています。
「推定」の使い方
「推定」を用いた言葉には、「推定人口」、「推定相続人」、「推定年収」、「推定年齢」、「推定価格」、「推定量」など、何かのものに対しすでにわかっている事実から考えられることを意味するものが多くなります。
「想定」と「推定」の違い
「想定」と「推定」には大きな違いがあります。
まず、「想定」は、頭の中で様々な条件や状況を仮定し考えたものとなります。
その考えに根拠などは求められません。
自分自身の頭の中で考え導いたものを指します。
一方、「推定」の場合は、すでにわかっている事実をもとに考えたものとなります。
事実と照らし合わせ考えた結果となり、1つも事実がない状態で「推定」することはできません。
このことから、「想定」よりも「推定」の方は根拠があり、考えたことが結果通りとなる可能性が高いことを意味しています。
「想定」の例文
・『今期の売上が想定を下回る結果となってしまい、ボーナスへの影響が非常に心配です。』
・『私はいつも、想定外のことが起きてしまうとパニックになってしまいます。』
・『年間出費を想定の範囲内で収めることができ、ホッとしています。』
・『我が家の息子は、いつも、想定外の行動ばかりとるため驚かされてばかりです。』
「推定」の例文
・『プロ野球選手の推定年俸を聞いて、僕の夢が膨らみました。』
・『獣医さんは、捨て猫を見て推定年齢を教えてくれました。』
・『これが、推定によって算出された結果です。』
・『研究者によると、今回発見された化石は1万年前のものと推定されたそうです。』
まとめ
なにか1つでも事実をもとに考えることが「推定」。
頭の中で、様々な条件を踏まえ考えることが「想定」。
このように、考えのもととなる事実の有無によって意味が異なる言葉となります。