この記事では「息」と「呼吸」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「息」と「呼吸」の違い
「息」には、主に5つの意味があります。
1つめは、口や鼻を通して空気が出たり入ったりすること、またその空気のことです。
2つめは、2人以上で事を行うときにそれぞれの人の気持ちがうまくつり合うことです。
3つめは、芸事のこつです。
芸事とは、琴、三味線、踊りなどのことをいいます。
4つめは、液体が蒸発して生まれる気体のことです。
5つめは、声楽で声帯をふるわせることがない、吐く空気や吸う空気のことです。
「呼吸」には、5つの意味があります。
1つめは、口や鼻を使って空気を吸ったり吐いたりすることです。
2つめは、一緒に何かをするときにそれぞれの人の気持ちがうまくつり合うことです。
3つめは、こつです。
物事の要点、微妙な調子という意味になります。
4つめは、わずかな時間です。
5つめは、生物が生きていくために、体内に酸素を取り入れて生体の活動に利用をし、その際にできた二酸化炭素を排出する現象のことです。
2つの言葉が指しているものはほぼ同じで、口や鼻を使って空気が出たり入ったりすることを指しています。
しかし、若干違う部分があり、「息」は口や鼻に空気を通す動作のことだけでなく、その空気のことも指しています。
一方、「呼吸」の場合は動作のことだけで、口や鼻を通る空気のことは指していません。
また、どちらの言葉にも、2人以上で一緒に何かをするときの気持ちのつり合いという意味がありますが、この意味もほぼ同じです。
2つの言葉の違う点は、「息」には蒸気や声楽の意味がありますが、この意味は「呼吸」にはないこと、「呼吸」にはわずかな時間や生物の活動の意味がありますが、この意味は「息」にはないことです。
「息」と「呼吸」の使い方の違い
口や鼻を使って空気を入れたり出したりする意味では、どちらも同じように使うことができます。
口臭など、吐く空気にニオイがついている場合は、「息」を使うことが多いです。
一緒に何かをするときの気持ちのつり合いの意味でも、2つの言葉は同じように使うことができます。
「息」と「呼吸」の英語表記の違い
「息」は英語で、空気の出し入れの意味では“breath”や“breathing”と表現をします。
「呼吸」は英語で、空気の出し入れの意味では“breath”や“respiration”と表現をし、こつの意味では“knack”や“the hang”と表現をします。
「息」の意味
「息」の主な意味は5つあります。
1つめは、口や鼻を使って空気を出したり入れたりすること、またそのときに通る空気のことです。
普段は意識することが少ないのですが、人間は口や鼻を使って空気を出したり入れたりしています。
この行為のことや、この行為のときに通る空気のことを指しています。
2つめは、誰かと一緒に何かをするときのお互いの気持ちのつり合いです。
2人でカヌーを漕ぐときのことで考えてみます。
カヌーをうまく進めるためには、2人の漕ぐタイミングがうまくあわなければなりません。
うまくあっているときのことをこの言葉で表現します。
3つめは、芸事のこつです。
琴や三味線などには、うまく処理する方法があります。
そのうまく処理する方法のことを指しています。
4つめは、液体が蒸発するときに生じる気体です。
鍋を使って水を沸騰させると、鍋の上方に白い気体が見えます。
この白い気体のことをいいます。
水が蒸発して生じたもの以外のことも指しています。
5つめは、声楽で声帯をふるわせない吐く息のことです。
「息」の使い方
いくつもの意味がありますが、1つめの意味と2つめの意味で使われることが多くあります。
「息」を使った例文
・『思わず息をとめてしまった』
・『まだ息はあるようだ』
・『息をしているか確認してください』
・『自分の息のニオイが気になる』
「息」の類語
「呼吸」が類語です。
「息」の対義語
ありません。
「呼吸」の意味
「呼吸」には、5つの意味があります。
1つめは、口や鼻を使って空気を出したり入れたりすることです。
動作のことを指しており、口や鼻を通る空気のことを指しているのではありません。
2つめは、誰かと一緒に何かを行うときに、それぞれの人のリズムや勢いがぴったりと合うことです。
サッカーはチームプレーです。
仲間にボールをパスするとき、仲間とぴったりリズムが合わないと、相手チームにボールをとられてしまいます。
仲間と自分とのリズムなどがぴったり合っていることを意味する言葉です。
3つめは、物事を行うときの微妙な調子、こつです。
4つめは、わずかな時間です。
空気を吸って吐く動作を1回行うくらいの時間という意味になります。
5つめは、生物が酸素を取り込んで生体の活動に利用をし、そこで生じた二酸化炭素を排出することです。
地球上に住む多くの生物は、体内に酸素を取り込まないと生きていくことができません。
取り込まれた酸素は体内で利用され、その過程で二酸化炭素が発生をします。
二酸化炭素は体内に残しておいても利用することはないので排出されます。
この活動を意味しています。
「呼吸」の使い方
いくつもの意味がありますが、1つめの意味、2つめの意味、5つめの意味で使われることが多いです。
1つめの意味と5つめの意味は似ているように感じますが、1つめの意味は空気の出し入れのことを指しているのに対し、5つめの意味では生命維持のための活動のことを指している点が違います。
特に生命維持に焦点を当てる場合は、5つめの意味で使用をします。
「呼吸」を使った例文
・『緊張して呼吸が速くなっていた』
・『呼吸を意識してください』
・『呼吸をとめないで』
・『呼吸がうまくできない』
「呼吸」の類語
「息」が類語です。
「呼吸」の対義語
ありません。
まとめ
2つの言葉は意味が同じ部分があり、同じような使われ方をしています。
しかし、どちらの言葉も複数の意味があり、同じではない意味も持っており、その部分ではもう一方の言葉に置き換えて使用することはできません。