この記事では、「善」と「偽善」の違いを分かりやすく説明していきます。
「善」とは?
よい、正しい、道理にかなっている、といった意味の「善」。
対義語は、「悪」となります。
一般的に考えられる「善」には、社会的な規範、行為、となり、社会的に見て、正しく、よいと思われるような行為を「善」と表します。
「善」の使い方
「善」には、よいこと、行いや性質が好ましいことなどを意味する「善意」、「善行」、「善政」、「善良」、「改善」、「最善」などがあります。
また、上手くものごとを対処する言葉として、「善処」、「善戦」。
仲良くするといった意味の言葉として、「善隣」、「親善」があります。
「偽善」とは?
「善」の偽りと書いて「偽善」。
この漢字の意味通り、「善」のように偽っている人を意味する言葉となります。
善人らしく見せかけ、周りからよく思われたい、よく見られたいという気持ちを意味する言葉です。
うわべだけの善人ということで、まわりから非難される際に用いられる事も少なくありません。
「偽善」の使い方
「偽善」には、「偽善」の人を意味する使い方として、「偽善者」や「偽善的」、「偽善な態度」、「偽善に満ちた」などがあります。
「善」と「偽善」の違い
同じ良い行い、行動でも、心から、その人のために尽くしたい、その人のために頑張りたいと思うものが「善」であるのに対し、相手のために尽くしたいというよりも、自分が良い人に見られたいと思うほうが勝つものを「偽善」と言います。
心から良い人なのか、うわべだけ良い人なのか、そんな違いがある「善」と「偽善」。
「偽善」の場合、本当はそのように思っていないことでも、あたかも、そう思っているように周りに見せることを意味し、同じ行動でも、その行動に対する気持ちが大きく異なるといった違いがあります。
「善」の例文
・『私は常に「善は急げ」の気持ちで行動するように心がけています。』
・『人間の心には常に善と悪が存在すると私は思います。』
・『なかなか行動に移すことができない僕にとって、すぐにボランティア活動を行うことができる善人は、素晴らしい人だと思います。』
・『善意の気持ちで行ったのですが、彼女には、そう受け取ってもらうことができなかったようです。』
「偽善」の例文
・『私は、周りからどれだけ偽善者だと言われても、今のボランティア活動を続けて行きたいと思っています。』
・『例え、偽善者だと言われてもいい。私は、誰かの役になっていきたいと思います。』
・『推薦を取るために先生の前だけ良い子になる友達は偽善者にすぎない。』
・『今の世の中は、偽善に満ちていると言えるのではないだろうか。』
まとめ
以上が「善」と「偽善」の違いです。
「偽善」の場合は、相手を軽蔑するような意味でも用いられるため、使い方にはより注意が必要です。
また、実際のところ明確でないにもかかわらず、「偽善」と決めつけることもおすすめできません。