この記事では、「掠れる」と「擦れる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「掠れる」とは?
読み方は「かすれる」となります。
「掠」の漢字の意味は、奪いとるなどたくさんの意味があります。
「掠れる」と送り仮名がつくことで、片方が動いていない状態で、それに対してもう一方がしっかりとではなく、少し触れたりまたはとぎれとぎれな状態になりながら動くことという意味になります。
または、物と物がお互いに擦れるということを意味する場合もあります。
芸術の分野においては掠れるということも「味がある」という評価になることもあり、必ずしも悪い意味というわけではありません。
「掠れる」の使い方
具体的に「掠れる」が使われる状況を3つ挙げます。
一つ目は、墨やインクが十分についていない状態で文字や絵を描く、または早く筆を動かしたりすることで、しっかり色が載らずに部分的に途切れたり薄くなったり消えたりする状態です。
二つ目は、声が上手く出ずにしわがれる状態を言います。
三つ目は、軽くふれてさっと通り過ぎていく状態です。
「擦れる」とは?
読み方は「こすれる」または「すれる」となります。
意味は同じです。
ものとものが互いに擦れ合って、削れたり摩擦によって傷がついたりすることです。
『擦れる」はお互いのものがしっかりとは密着していないが、摩擦によっておこる状態を意味しています。
擦れるは、ただの損傷の現象としてとらえられています。
一般的には、本来は擦れないようなのもが、一時的にその状態になった場合「こすれる」と表現する場合が多いです。
“今、車が壁に擦った〔こすった〕”などがあげられます。
また普段から接触状態がある場合は「すれる」を使う場合が多いです。
“このタイヤはだいぶ擦れて〔すれて〕いる”というものがあります。
「擦れる」の使い方
こちらも主に3つの使い方を挙げていきます。
一つ目は、物と物が触れ合い動いている様子です。
2つ目は、物と物が強く触れ合って接触した状態のまま動いたり、それらが痛んだり減っていく様子です。
3つ目は。
いろいろな経験をして純粋な気持ちがなくなることです。
「掠れる」と「擦れる」の違い
「掠れる」は一方が静止していてもう一方がとぎれとぎれに接触したりして動くことです。
「擦れる」はお互いの物が接触することによって削れたり減って行ったりすることです。
掠れるのほうでは、お互いが触れ合うことはあっても、もの自体の損傷や減少は関係ありません。
ただ、その触れている状態を表しています。
擦れるでは物自体が触れて、少なからず摩擦が生じて減少していく様が読み取れます。
「掠れる」の例文
・『字が掠れる』
・『声が掠れる』
・『掠れるほどの糸の音』
「擦れる」の例文
・『葉が擦れる』
・『靴底が擦れてきた』
・『悲しい経験で心が擦れた』
まとめ
二つの言葉は読み方も似ていることから、混同しがちですが根本的に意味は違っていました。
「掠れる」のほうでは実際のものが触れ合わない場合もありますので、想像しずらい場面もありますが、とぎれとぎれの状態を表現する時は「掠れる」を使うべきです。
また、もの同士が接触したりしてすり減っている状態が見られれば擦れるを使う場面です。