「長生きする」に似た言い回しは、いくつかあります。
この記事では、「天寿を全うする」の意味を分かりやすく説明していきます。
正しい意味を知って、大切な人を思うきっかけにしてみてください。
「天寿を全うする」とは?意味
天寿を全うするとは、長生きして天国に旅立つこと。
この世で十分に生きて、あの世に出発することです。
お葬式などの席で用いる、弔いのことばです。
「天寿を全うする」というのは、おもに亡くなった方の遺族がつかう表現です。
「おかげさまで大往生いたしました」と同じような意味で用います。
そのため家族以外の関係者がつかうと、かえって失礼にあたるので気を付けておきましょう。
「天寿を全うする」は事故や病気に遭わなかったという意味も含まれる、非常にデリケートな言い回しになります。
家族以外の方が「天寿を全うする」と言いたい場合は「哀悼の意を表します」や「ご愁傷様でございます」と用います。
いずれもご遺族の方の心情を察して、心をこめてお伝えするのがマナーです。
「天寿を全うする」の概要
天寿を全うするには「天寿」そして「全うする」の言葉が組み合わさっています。
普段あまり耳にしない「天寿」とは、天から与えてもらった寿命のこと。
生まれたときから決まっているとされる、その人が生きられる年数です。
「全うする」は「なし遂げる」という訳があるので「天寿を全うする」で「人生をめいっぱい生きる」という意味につながっていきます。
長寿と聞くと、とても長い時間を思い浮かべてしまいますが「どのくらい生きれば、長寿になるのかは」決まっていません。
たとえ僅かな年数しか生きられなかったとしても、故人の人生がとても実りのあるものだったら、それは「天寿を全うする」ことに繋がっていきます。
100点満点の人生を生きた証が「天寿を全うする」です。
「天寿を全うする」の言葉の使い方や使われ方
天寿を全うするは、このように用いていきます。
・多くの人に愛された母は、天寿を全うするように安らかに亡くなりました。
・病院から自宅に移った祖父は、半年前に天寿を全うしました。
・おかげさまで父は天寿を全うするように、晴れやかな顔で天国に旅立っていきました。
天寿を全うするは亡くなった方のご遺族が、喪の席などで用います。
「亡くなる」をオブラートに包んだ言い回しとなります。
「天寿を全うする」の類語や言いかえ
天寿を全うするの類語には、次のような単語があります。
・大往生を迎える
・永眠
・他界
・極楽往生
永眠や他界は遺族が用いる言葉で「永眠いたしました」や「他界いたしました」と用います。
ちなみに「大往生」も「天寿を全うする」と同じく、遺族が用いる内輪での表現になります。
まとめ
「天寿を全うする」の使い方や類語をチェックしてきました。
天寿を全うするとは、長生きしてあの世に旅立つこと。
残された遺族がお葬式の席などで、関係者に対して用いる表現になります。
失礼にあたらないよう、正しい内容をおさえておきましょう。