この記事では、「明白」と「明確」の違いを分かりやすく説明していきます。
よく似た印象のある2つの言葉には、どのような違いがあるでしょうか。
「明白」とは?
「明白」は「めいはく」と読みます。
「明白」には「あきらかで疑う余地のないこと。
またはその様子」という意味があります。
例えば、誰かと言い争っているとき、自分の言い分が正しいことが、あきらかで、疑う余地がないと思うことがあるかもしれません。
このような時、「私の言い分が正しいのは、明白だ」などと「明白」を使ってアピールすることができます。
また犯人逮捕の時などに、あきらかで疑う余地のない証拠を探すことになります。
凶器に犯人の指紋があるような、明らかな証拠を見つけたとき、「明白な証拠を見つけました」などと言います。
2つ目の意味として、「明白」には「明晰(めいせき)」という意味もあります。
論理学に関する言葉において、「明晰」と同じ意味を持ち、「概念の外延が明確で他とはっきり区別できること」という意味があります。
こちらは、論理学のみに使うため、参考程度に覚えておくといいのではないでしょうか。
「明確」とは?
「明確」は「めいかく」と読みます。
「明確」には、「はっきりしていて間違いのないこと。
または、その様子」という意味があります。
例えば、AとBという二人がいて、どちらがAで、どちらがBなのかはっきりしていて、間違えようがない時、「二人の違いは明確だ」などと言います。
また、聞いた人が間違えようのないような、はっきりとして指示を出す場合は、「明確な指示を与える」などと言います。
「明白」と「明確」の違い
「明白」と「明確」の違いを、分かりやすく解説します。
「明白」には「あきらかで疑う余地のないこと」という意味があります。
一方の「明確」には、「はっきりしていて間違いのないこと」という意味があります。
このように、2つの言葉はとてもよく似ています。
しかし、違う点として、「明白」は「疑惑に対する物事」を意味するというということがあります。
「あの人が犯人であることは明白だ」という場合は、もしかしたら、その人が犯人ではないかもしれないという、疑いを感じさせる文章になります。
一方で、「あの人が犯人であることは明確だ」という場合は、そこに犯人でないかもしれないというような疑いを感じさせず、どこか不自然な文章になります。
また「明白」という言葉には、誰かの推察であるという余地が残るのに対して、「明確」には客観的にも間違いがないというような印象があります。
「これは明白な事実だ」という文章は推察の域を出ず、「これは明確な事実だ」という場合は、誰が見ても間違いがないという力強い印象を与えることができるのではないでしょうか。
まとめ
「明白」と「明確」という言葉について見てきました。
似た意味のある2つの言葉には、微妙なニュアンスの違いがあります。
特に「疑惑」に関する場合は、「明白」を使うようにするといいのではないでしょうか。