日本の朝食には欠かせないお味噌汁ですが、そのお味噌汁の具として最もポピュラーなのがワカメでしょう。
このワカメは、海で育つ「海藻」として、昆布や海苔とともに有名です。
ここで気になるのが「海藻」という言葉です。
他に「海草」という言葉もあり、区別ができていないという人も多いでしょう。
そもそも、「海草」や「海藻」とはどう言う意味なのでしょうか。
2つの違いは何なのでしょうか。
この記事では、「海草」と「海藻」の違いを分かりやすく説明していきます。
「海草」とは?
「海草」とは、「海の中に生息する草」と言う意味です。
一般的な言い方では「海中の植物」ということになります。
多くがアマモの仲間で、花を咲かせて種子を海中に放出することによって増えて行きます。
ここまでの説明でお分かりのように、私たちにはあまり馴染みのない生物です。
英語では「seagrass」が最も適切でしょう。
「海藻」とは?
「海藻」とは、「海の中に生息する藻」という意味です。
「海中の藻類」と言っても良いでしょう。
ワカメ、昆布、海苔など、食用になっているものは全て「海藻」です。
種子ではなく、胞子を放出することによって増えて行きます。
英語での表現ですが、藻類を表す英語である「algae」を使用して「sea algae」とも言うこともできますが、この言葉は生物学や分類学でしか使われず、ワカメや昆布などの「海藻」は「seaweed」と呼ぶのが普通です。
「海草」と「海藻」の違い
「海草」と「海藻」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、発音は同じですが、典型的な同音異義語であり、ここまで説明してきたように、全く違うものです。
生物学的な分類上での「藻」とそれ以外の「草」の繁殖方法が全く違うからです。
つまり、胞子で増えるのが「海藻」であり、花と種で増えるのが「海草」です。
属するものとしては、私たちが思いつくものや食用にしているのはほとんどが「海藻」なので、「海草」という言葉はほぼ使う必要がないとも言えるのですが、実際にネットの記事を見ると「海草」という表現の方が圧倒的に多いことがわかります。
つまり、多くの人たちは同音異義語として「海藻」を「海草」だと勘違いしているのです。
「海草」の例文
「海草」の例文は以下のようになります。
・『海草は海の中で種子によって繁殖する植物のことです』
・『一般的に海草と呼ばれるのはごく少数の種類だけです』
「海藻」の例文
「海藻」の例文は以下のようになります。
・『ワカメや昆布、海苔などは全て海藻です』
・『海藻は、植物ではないという考え方もありますが、現時点では断定することは、難しいとも言えます』
まとめ
この記事では、「海草」と「海藻」の違いを、解説してきました。
お分かりになったように、「海草」と「海藻」は生物学的には全く違うものです。
日本の食卓には欠かせない「海藻」ですが、日本や韓国といくつかの国以外ではあまり食べられてはいません。
実際、最初に昆布やワカメを見たら、食べられるものには見えないと言うのも分かる気はしますが。