この記事では、「見物」と「見学」の違いを分かりやすく説明していきます。
「見物」とは?
「見物」には3つの意味があります。
1つめは、どこかに行って見て楽しむことです。
この言葉が指すどこかとは具体的な場所の意味を含んでいませんが、施設、催し物、名所などのことを指す場合が多いです。
8月になると青森ねぶた祭りという催し物が、青森県で開催されます。
これを見ることを「見物」といいます。
これ以外の催し物についてもいうことができます。
2つめの意味は見物人です。
「多くの見物がいる」のような使い方をします。
「人」という言葉を使用していなくても、見て楽しんでいる人のことを指しています。
3つめは見る価値のある興味をそそられるもの、見る価値がある素晴らしいものです。
「見物」の使い方
どこかに行って見て楽しむという意味で使用されています。
施設、催し物、名所などに行き、そこを見て楽しむことをいいます。
映画を見て楽しくことには使用しません。
「見学」とは?
「見学」には2つの意味があります。
ひとつは、実際のようすを見て知識を広めることです。
「工場見学」のことで考えてみます。
「工場見学」とは、製品を製造している工場を見せてもらうものです。
工場のスタッフが解説をしながら、施設の中を案内してくれます。
普段使っている製品が、どのように作られているかを知っている人は少ないことでしょう。
工場を案内してもらったり、説明をしてもらったりすれば、知らなかったことを知ることができます。
知識が広がるのです。
こういった、実際に何かを見て知識を広げることを「見学」といいます。
もう一つの意味は、体調不良などの理由で体育の授業などに参加せずに見て学ぶことです。
骨折をして松葉杖をついて登校している人が、体育の授業に参加することは難しいでしょう。
体育の授業では、走る、ボールを蹴るなど、体を動かすことが多く、骨折をしていてはこういった動作は無理です。
そのため、実際に体を動かすことはせず、授業を見ることになります。
このことを意味する言葉です。
「見学」の使い方
実際の様子を見て知識を広めるという意味で使用することが多いです。
実際に行わないで授業を見て学ぶという意味では、主に学生が使用をします。
「見物」と「見学」の違い
見るという意味合いが似ている2つの言葉ですが、同じことではありません。
「見物」は見て楽しむことです。
知識を広めるために見ているのではありません。
「見学」は実際の様子を見て知識を広めることです。
「見物」の例文
・『見物人でにぎわっている』
・『紅葉を見物する』
・『見物をしてきた』
・『見物のために人が集まってきた』
「見学」の例文
・『会社を見学させてもらう』
・『見学のお願いをする』
・『見学に行く』
・『球場を見学する』
まとめ
見るという意味が似ている2つの言葉ですが、見て楽しむことなのか、見て知識を広めることなのかという点に違いがあります。