同じようにも、違うようにも感じる「合気道」と「柔術」ですが、それぞれどんな意味を指すのでしょうか?
この記事では、「合気道」と「柔術」の違いを分かりやすく説明していきます。
「合気道(あいきどう)」とは?
「合気道」とは、武道家である「植芝盛平(うえしば もりへい)」により創始された総合武道です。
「天地の気に合する道」という意味が名称の由来になります。
「植芝盛平」は柔術のほか、「新陰流」などの剣術や「柳生心眼流」などの古流武術の修得者でもあります。
「合気道」は柔術の流派のひとつである「大東流合気柔術」をベースに、各武術のエッセンスや戦争、北海道開拓など「植芝盛平」自身の体験に基づいた精神哲学も織り交ぜながら構成されていき、1942年に成立しました。
「合気道」は武道でありながらも、武力による勝ち負け、争い、競い合いを否定しているところが特徴です。
相手や敵との対立を解消し、親しみ合う「和合」の精神こそが「合気道」の理想であるとされています。
「合気道」では基本的に試合が行われないのも、そうした理念に基づいているためです(ただし、試合を行う流派もある)。
また、技の特徴としても、相手に対する直接攻撃ではなく、相手の力を利用した投げ技や関節技がメインとなる点に和合の理念が象徴されていると言えます。
そのため、「合気道」は「愛の武道」や「和の武道」、「争わない武道」とも呼ばれる他、欧米圏では「動く禅」とも称されています。
「柔術(じゅうじゅつ)」とは?
「柔術」とは日本の古武道に由来する徒手武術のことです。
相手への攻撃ではなく、相手の攻撃から身を護ることや、相手を殺傷せずに抑え込むことを重きとしている点が「柔術」の特徴とされています。
また、「柔術」から「柔道」や「合気道」が生み出されたとされ、「柔術」の影響を受けた空手や拳法の流派もいくつか存在します。
さらに、海外の軍隊では「柔術」の一部の技が近接格闘術に採用されているようです。
「柔道」や「合気道」、「ブラジリアン柔術」や「ヨーロピアン柔術(=JJIF柔術)」のような日本の「柔道」から派生した現代武道との区分けのため、日本古来の徒手武術は「古流柔術」として扱われる場合があります。
一方で、「柔術」の流れを汲むことから、「柔道」、「合気道」、「ブラジリアン柔術」、「ヨーロピアン柔術」も「柔術」に含まれる場合もあるようです。
「合気道」と「柔術」の違い
「合気道」と「柔術」の違いを、分かりやすく解説します。
「柔術」は日本の古武道に由来する徒手武術を指し、「植芝盛平」によって「柔術」から生み出された武道が「合気道」となります。
まとめ
・「合気道」とは、武道家である「植芝盛平」により創始された総合武道です。
・「柔術」とは日本の古武道に由来する徒手武術のことですが、「柔術」より派生した「現代武道」(柔道や合気道など)との区分けのため、「古流柔術」として扱われる場合もあります。
ただし、「柔術」の流れを汲むことから、「現代武道」も「柔術」に含まれる場合があるようです。