この記事では、「多様」と「多彩」の違いを分かりやすく説明していきます。
一見すると同じように見える2つの言葉にはどのような違いがあるでしょうか。
「多様」とは?
「多様」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「多様」は「たよう」と読みます。
「多様」には、「いろいろと種類の違ったものがあること。
また、その様子」という意味があります。
例えば、人の価値観はそれぞれで、違ったものがあります。
この場合「多様な価値観を持つ人」という言い方ができます。
「多様」を使った言葉に「多様性(多様性)」があります。
「多様性」には「いろいろな種類や、傾向のものがあり、変化に富んでいること」という意味があります。
地球上にはいろいろな動物、虫、鳥、魚などの生き物がいます。
このような豊かな命のあり方を守ろうとするとき、「生き物の多様性を守ろう」などと言います。
他にも「多種多様(たしゅたよう)」という四文字熟語があり、「種類や性質、状態や現象などがさまざまなこと」を意味します。
「多種多様な職業」などという使い方をします。
「多彩」とは?
「多彩」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「多彩」は「たさい」と読みます。
「多彩」には「色の種類が多いこと」「いろどりが美しいこと」という意味があります。
英語で言うと「カラフル」になります。
「多彩な絵画」などと言う使い方をします。
次に「多彩」には、「変化や種類が多くにぎやかなこと」という意味があります。
例えばプロ野球の試合で、カーブとフォークに加えて、スライダー、チェンジアップ、シンカーなど、投げられる変化球の種類が多い投手に対して「多彩な変化球を投げ分ける投手」などと評価することができます。
また、芝居のメンバーが発表されたとき、個性的な人、美しい人、威厳のある人など、違ったタイプの俳優が多く、にぎやかな印象があるとき、「多彩」という言葉を使うことがあります。
「今回の芝居は、多彩な顔ぶれがそろいました」などと言います。
「多様」と「多彩」の違い
「多様」と「多彩」の違いを、分かりやすく解説します。
「多様」には、「いろいろと種類の違ったものがあること。
また、その様子」という意味があります「多彩」には、「変化や種類が多くにぎやかなこと」という意味があります。
「多様」と比較して、「多彩」には「にぎやか」「はなやか」な印象があります。
「多様」は「違い」を強調する言葉に対して、「多彩」は「カラフル」という意味があるように、違いがあることによって生まれる、「華やかさや良さ」を強調する言葉と考えることができます。
そのため、「多様」が冷静で客観的な場面で使われるのに対して、「多彩」はほめたたえるときに使われる機会が多くなります。
まとめ
「多様」と「多彩」の違いについて見てきました。
2つの言葉は、よく似ていますが、明確な違いがありました。
2つの言葉の違いを知ることで、正確に使い分けられるようになりそうです。