この記事では、慣用句の「一抹の不安」の意味を分かりやすく説明していきます。
「一抹の不安」とは?意味
「一抹の不安」の読みは、「いちまつのふあん」で「ほんの少し解消されずに残っている、不安の感情や不安の要素」を意味する言葉です。
不安に思うことはあるものの、何か行動を起こして、それを解消するほどでもなく、少し心にひっかる程度の不安があると言う意味です。
「一抹の不安」の概要
「一抹の不安」の慣用句を分解して、詳細にその意味を説明します。
まず「抹」の漢字には「なでつける」や「ぬりつぶす」や「粉にする」等の意味がありますが、ここでは「なでつける」の意味で使われており、従って「一抹」とは「ひとなですること」の意味となります。
また「不安」は一般的に使われている「心が落ち着かない様子、安心できない様子」を指す言葉です。
従って「一抹の不安」は文字通りの意味としては「ひとなでする程度の心の落ち着かなさ」となり、転じて、慣用句の「ほんの少し解消されずに残っている、不安の感情や不安の要素」の意味となるのです。
もちろん、人には非常に楽観的な方もいれば、非常に慎重な方もおられます。
それゆえに、「一抹の不安」と表現される不安の内容が、どの程度の不安を指すのかには個人差があります。
しかし誰が考えても、問題につながる様な不安は、当然「一抹の不安」とは言いません。
また、この慣用句を使う場合には、どちらかと言うと、幸せで平静な状態や、心配などする必要が無さそうな状態にある時に、「ごく少し不安」を感じる時に使います。
ちなみに、「一抹の」の言葉には、「不安」以外に、「さびしさ」を付けて、「一抹のさびしさ」と使われることもよくあり、覚えておくと便利です。
「一抹の不安」の言葉の使い方や使われ方
「一抹の不安」の慣用句は、以下の例の様に使われます。
・『会議で議論を尽くして出した結論で、皆が納得できるものですが、私には一抹の不安も残っています。』
・『彼は素晴らしい人で、私を真剣に愛してくれ、常に一緒に居たいと感じさせる男性です。しかしいざ結婚となると、一抹の不安を感じる理由が、自分でも分かりません。』
・『入社した会社は雰囲気も良く、先輩社員も親切で、本当にこの会社にして良かったと思っています。それでも仕事に付いて行けるのだろうかと、一抹の不安を感じています。』
「一抹の不安」の類語や言い換え
「一抹の不安」で使われている「不安」の類語としては「気掛かり」や「懸念材料」や「心配の種」や「憂い事」などを挙げる事が出来ます。
そこに「一抹の」を表現する「少しの」を付けて、「少しの気掛かり」や「少しの懸念材料」や「少しの心配の種」や「少しの憂い事」と言い換える事が出来ます。
まとめ
「一抹の不安」は文字通りの意味としては「ひとなでする程度の心の落ち着かなさ」となります。
そこから転じて、慣用句の「ほんの少し解消されずに残っている、不安の感情や不安の要素」の意味となるのです。