この記事では、慣用句の「寝首を掻く」の意味を分かりやすく説明していきます。
「寝首を掻く」とは?意味
「寝首を掻く」の読みは「ねくびをかく」で、「油断させておいて、卑劣な手段などを講じて、相手を陥れる」ことを意味する慣用句です。
「寝首を掻く」の概要
慣用句の「寝首を掻く」の語源は、文字通り「眠っている人を襲って、その首を斬る」ことから来ています。
命のやり取りが頻繁に行われていた時代には、相手が眠っている所に押し入って、首を斬ると言う方法が取られることがありました。
まともに戦えば、勝つ事が難しかったり、自身が被害を受けないために、こうした寝込みを襲うということもしばしば行われていたのです。
日本の戦国時代の有名な桶狭間の戦いでは、織田軍がこれにより今川軍に勝利しましたし、幕末の勤王の志士と新選組との攻防でも、新選組による急襲などで、こうした作戦が取られた事は有名です。
こうした作戦は、日本の武士のみならず、世界中の戦士にとっては、卑怯なこととされていました。
このことから転じて、「油断させておいて、卑劣な手段などを講じて、相手を陥れる」と言う意味となったのです。
「寝首を掻く」の言葉の使い方や使われ方
「寝首を掻く」の慣用句は、以下の例の様に使われます。
・『彼はお人好しで、しかも人を疑うことを知りません。もう少し警戒心を持たないと、悪意を持つ人が寝首を掻くターゲットにされかねません』
・『彼は相手の懐に入るのが上手で、懐に入って安心させた上で、寝首を掻くような行為を行う人物なので、もっと用心すべきです』
・『寝首を掻く行為は、弱い者が強い者に対抗するために取る戦略なのに、あの部長は自分の地位を脅かしそうな部下に対して、そうした行為を行っている。そんな部長など全く信用できない』
・『A社は今回の商談で我が社に勝った事で、油断しいる。そんなA社に対して、今度は充分に作戦を立てて、寝首を掻くことで、きっと反転攻勢する』
・『この会社では出世争いが激しく、出世のために、同僚の寝首を掻くことを平気で行うような連中も少なくない』
・『平和ボケしていると、領土拡張の野心を持つ国が、寝首を掻く行為に対抗することさえできない』
「寝首を掻く」の類語や言いかえ
「寝首を掻く」の類語としては、油断している状態を襲うと言う点を強調する場合には、「不意打ち」や「虚を突く」や「朝駆け」などを挙げる事が出来ます。
また卑劣であると言う点を強調する場合には、「えげつない」や「汚らしい」を挙げる事が出来ます。
まとめ
「寝首を掻く」の読みは「ねくびをかく」で、「油断させておいて、卑劣な手段などを講じて、相手を陥れる」ことを意味する慣用句です。
この語源は、文字通り「眠っている相手を襲い、首を斬る」ことから来ています。
その襲撃が無防備な状態に対することと、卑劣である事から、上記の意味の慣用句となったのです。