この記事では、「知情意」の意味を分かりやすく説明していきます。
「知情意」とは?意味
「知情意」の読みは「ちじょうい」で「知性と感情と意志という人間の持つ三つの心の働き」を意味する言葉です。
「知情意」の概要
この言葉は、一般的な三字熟語のように、漢字三文字で何かを意味すると言うよりも、前記のように人間の持つ心の働きを表す三つの要素の熟語の漢字一文字を取って並べたものです。
「知情意」が示す三つの心の働きである「知性」と「感情」と「意志」、それぞれの意味を確認しておきます。
「知性」とは「知識や思考などを活用すること」の意味であり、「感情」とは「喜怒哀楽と言った心情のこと」であり、「意志」とは「意欲や精神力や決断」を指す言葉です。
この言葉は、哲学者のカントが提唱したとされるもので、「人間の心の中には、知性と感情と意志の三つの働きがあり、この三つの要素のバランスを保ち、向上させることにより、人格形成や人間性を高めることができると言う考え方」です。
この言葉に関しては、明治の文豪の夏目漱石が、『草枕』で「智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ」と、どれかの要素が突出してしまうと、人として生きにくくなると語っています。
また「知情意」は、ビジネスで成功するためにも重要だとされており、今日にもその考え方は生きているのです。
何かを成すには、「知識や知恵」が必要ですし、会社等で多くの人達と共に仕事を推進するに当たっては、「人間同士の情」も重要ですし、また「何かを成すと言う意志」がなければ、物事が始まりませんし、「情」をコントロールすることも出来ないからです。
この「知情意」の意味をしっかり考え、自己成長を図りたいものです。
「知情意」の言葉の使い方や使われ方
「知情意」の言葉は、以下の例文のように使われます。
・『彼は切れ者として知られていますが、知だけが突出していて知情意のバランスが取れていないのが欠点です』
・『彼女は涙もろく情に流されやすい傾向があるが、しっかりと知情意のバランスを取らないと、誰かに騙される懸念があります』
・『彼は新規ビジネスに強い意志で取り組み始めましたが、ビジネスで必要な知情意の中で、知が欠落していて失敗した』
・『誰しも知情意のバランスが完璧な人は居ませんが、余りどれかが突出すると生きにくなります』
「知情意」の類語や言い換え
「知情意」の三つの言葉を表現する適当な類語はありませんが、意味する言葉を「知識・感情・意志」と省略せずに列記するか、「内面の三要素」や「精神の三要素」や「マインドの要素」などと言い換えることが出来るでしょう。
まとめ
「知情意」とは「知性と感情と意志という人間の持つ三つの心の働き」を意味する言葉です。
この三要素のバランスを取りながら成長することが人間にとって、大切だと言う哲学者カントの考え方を象徴する言葉です。