「はぶく」という意味の言葉は、いくつかあります。
この記事では、「除籍」と「除名」の違いを分かりやすく説明していきます。
シーンに応じた言葉を、選んでいきましょう。
「除籍」とは?
除籍(じょせき)とは、戸籍から取り除くこと。
結婚や離婚、死亡など、ライフステージの変化にともない、戸籍の内容を見直すことです。
除籍はおもに戸籍を取り扱う、自治体でつかう言葉です。
戸籍は日々、更新されていくもの。
そのため家族に変化があったら、戸籍の内容をその都度更新していきます。
「籍を入れる」のが入籍なら「籍を取り除く」のは除籍になります。
また除籍をつかった言葉に「除籍謄本」があります。
除籍謄本とは、籍のない戸籍のこと。
家族の結婚や死亡によって「空白となった戸籍謄本」を、このように呼んでいます。
除籍謄本が必要になってくるのは、遺産相続など「相続の手続きをおこなうとき」です。
「除名」とは?
除名(じょめい)とは、政党の処分のこと。
トラブルを起こした政治家に、党から出ていってもらうようにお灸を据えることです。
党幹部による、制裁行為といえます。
除名がおこなわれると党のルールに基づいて、名指しされた政治家は党を出ていく必要があります。
いわゆるクビに近い状態になるので、多くの政治家がすぐに党を離れていきます。
また除名とよく似た言葉に「離党」があります。
離党は政治家が自分の意思で、党を離れていくこと。
それに対する「除名」は、党の指示で党員をやめることです。
除名は国会の政党以外にも、議会や学会など「大きな集団」で用いられます。
党によっては「除籍」という言葉をつかう団体もいます。
「除籍」と「除名」の違い
どちらも「除く」という言葉が付いているので、紛らわしいです。
「除籍」と「除名」の違いを、分かりやすく解説します。
・戸籍が「除籍」、政治は「除名」
「除籍」と「除名」には「取り去る」という共通した意味があります。
そのため使い方に迷ってしまう場合もあります。
判断の目安にしたいのが、どんなシーンで使いたいかということ。
相続や戸籍、遺産の手続きに用いるなら「除籍」を。
政党や議会、学会で用いるなら「除名」となります。
除籍は「戸籍から籍を取り除く」という訳で使います。
転籍や結婚にともない、このような手続きをします。
そして除名は、政党や学会から処分を受けること。
解雇されることです。
除籍と除名の中身を知って、正しい使い方をしていきましょう。
まとめ
「除籍」と「除名」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「集団から取り除く」という意味合いで用いられます。
除籍は、戸籍から抜けること。
除名は政党や議会から、懲戒処分を受けることです。
家族や血縁のニュアンスが強いのが「除籍」。
ビジネスや政治のニュアンスが強いのが「除名」です。
除籍は遺産相続の手続きをおこなうときにも、必要になってくる言葉です。
深い意味をしっかりと抑えていきましょう。