この記事では、「利益」と「恩恵」の違いを分かりやすく説明していきます。
「利益」とは?
「利益」には2つの意味があります。
一つは、経済活動を通して得るもうけです。
経済活動とは、人が必要なもの生産し、消費をする行為をいいます。
組織や会社などは、一定の目的をもって活動を行っており、何かを生産することもあります。
そして、生産されたものを家庭などが消費します。
組織や会社は、生産をして消費してもらうことで得をすることができます。
その得を「利益」といいます。
たとえば、原価が50円の製品を作りました。
この製品を100円で売りました。
このとき売った金額から原価を引いて50円の得をしたことになります。
別のいい方をすれば「利益」は50円です。
もう一つの意味は、役に立つこと、ためになることです。
「社会の利益」のような使い方をします。
この場合は、社会にとって役に立つことという意味になります。
役に立つものとは具体的に何なのかは、意味に含まれていません。
そのときどきで役に立つものは異なります。
「利益」の使い方
事業によって得る儲けの意味では、経済活動に関する場で使われることが多いです。
役に立つことという意味では、「国民の利益」のような使い方をします。
「恩恵」とは?
「恩恵」には2つの意味があります。
一つは、他人や自然から与えられる幸福や益になることです。
戦前の日本では、今のような高度な医療体制は整っていませんでしたが、現在は高度な医療が発達しています。
また、日本には国民皆保険制度があるため、国民全員が公的医療を受けやすい環境が整っています。
しかし、他の国を見ると、医療が高度でなかったり、保険制度がないため医療機関を受診したくてもできなかったりします。
助かる命が助からない可能性があるのです。
日本では病気になれば病院に行ける環境が整っており、それによって命が助かることがあります。
これは、日本の医療制度の「恩恵」だといえるでしょう。
もう一つの意味は、キリスト教で神の恩寵のことです。
「恩恵」の使い方
他人や自然から与えられる幸福や益を指して使用します。
精神的なものや行為について使うことが多くあります。
「利益」と「恩恵」の違い
「利益」は事業などによって得る儲けをいいます。
経済活動という行為を通して得られるもので、自然とやってくるものではありません。
「恩恵」は人や自然から与えられるものです。
幸福や益となるものをいいます。
「利益」の例文
・『大きな利益が出た』
・『利益優先の考え』
・『利益のために活動をする』
・『去年に比べて利益が上がった』
「恩恵」の例文
・『さまざまな恩恵を受けている』
・『情報公開による恩恵』
・『円安の恩恵を受けた』
・『恩恵にあずかる』
まとめ
益になるという意味が似ている2つの言葉ですが、「利益」は経済活動を通して得られるもの、「恩恵」は他人や自然から与えられるもので、意味が異なります。